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2012年5月28日 (月)

荒瀬ダム撤去フォローアップ専門委員会(第3回)

5月25日に、荒瀬ダム撤去フォローアップ専門委員会がありましたので、傍聴してきました。回を重ねるごとに、議論も活発になり、委員からの提案も反映され、モニタリング調査の方法や調査項目など段々改善されているように思えます。

簡単な報告です。

日時:平成25年5月25日(金)午前10時

場所:くまもと県民交流館 パレアホール

libra委員のメンバー

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委員の数名の交代がありました。座長はこれまで同様県立大学の篠原亮太先生です。

この日は平成23年度のモニタリング調査の結果報告と今後の計画提案、それに関する質疑応答です。

libra平成23年度の報告(総括)

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流水環境の回復が一番顕著と報告されている百済木川とは、荒瀬ダムの上流1km程上流左岸で球磨川に合流している支流です。ゲート全開前は、おびただしい土砂が堆積し、赤潮やアオコの発生などここが一番汚いところでした。土砂の除去作業もかなり行われてきましたが、ゲート全開後の水位低下で現在は上流からの綺麗な水が流れています。底生動物の種数の増え方も現在ここが一番顕著で、特にきれいな水を生息域とするカワゲラやカゲロウなどが大幅に増えています。。それに合わせてトウヨシノボリやゴクラクハゼ、ウナギ、アユなどの回遊性の魚類も確認できるようになっています。

それと、流水環境への回復の兆しが見られると報告されている西鎌瀬は、水位低下により出現した流水区間と今だダム湖になっている区間の中間に当たる地区で、鎌瀬という瀬が復活しています。広い河原も水位低下直後は表面を泥が覆っていましたが、今はレキ河原となっています。23年度の報告では「露出した陸域では今だ植物が定着せず自然裸地が多い」とされていますが、現在はかなりな外来植物が侵入しています。今後この地点の植生がどう変化していくかは、ダム建設前の河原を再生できるかという視点でみれば、興味深いところです。

libraアユの産卵場嬢の環境調査結果について

5箇所(遥拝堰下流、横石付近、下代の瀬、中谷場所上流、坂本支所付近)でアユの産卵に関する調査(八代河川国道事務所報告書)結果の報告がありました。それによると、どの地点、どの調査日においても「卵確認されず」とあります。県においては、調査地点の紙跡や粒度組成の調査は行なっていますが、産卵の確認に関する調査は実施されていないようです。

流域住民が球磨川の再生を望む大きな理由の一つはアユの再生です。産卵の確認に関する調査をして始めて産卵場が再生されたといえるので、是非調査を実施してほしいものです。また、アユが増加するかどうかは、産卵された孵化した仔魚が無事海まで下って、翌春遡上してくるかです。産卵と翌年の遡上量の関係がわかるような流下調査なども下流で是非実施してほしいものです。

libra向きな姿勢を感じるフォローアップ委員会

回を重ねるごとに、委員の皆様も自分の専門以外の部分も把握されて来られているのだと思いますが、書く調査調査項目の調査地点のズレやに対する指摘や生態系という広い視点でのご意見も多くなってきました。個人的な意見ですが、今回の委員会でいいなと思ったところを記述してみました。

・企業局の説明担当者も回を追うごとに、現場の状況を把握して、勉強して会議に臨んでいるのが分かる。委員から出される提案や質問に対しても、きちんと対応しようとしているのが分かる

・情報開示に関するメモが配布されたが、モニタリングの調査の生データや工事及び調査の報告書も希望に応じて対応するとの明記がある。また、今後ライブカメラの設置を検討するなど、情報開示を積極的に行おうとする姿勢は評価できる。

・委員からも個別の調査のみにとらわれることなく、各調査対象の関連が分かる相関図を求める意見や、物理的環境と生物的環境の相関がわかるような調査ポイント・時期の剪定を求める意見がでるなど、生物の多様性の回復の検証につながるような意見が多く出されている。

・アメリカのエルワダム撤去の紹介も委員からあったが、日本初のダム撤去であるということを認識した委員の発言もあり、この委員会のムードがいい方向に向かっている印象を感じた。

libra今後、改善してほしい点

モニタリング調査は、あくまで撤去工事が河川に与えるマイナスノ影響の把握とそれを軽減するための調査になっており、この調査の結果を球磨川や干潟の再生のためにどう生かすかという視点がないのは残念なところです。そのために調査の範囲も瀬戸石ダムから遥拝石までに限定されています。実際、干潟をみていると、下線部分より干潟の変化が顕著であるように思えます。

また、現場の声が調査に生かされる仕組みができておらず、傍聴はできるものの意見を言える場すらないのも残念なところです。住民代表を参加させるとか、地元でモニタリング調査の説明会を行い、そこで意見を伺うという手続きもほしいところです。

libra平成24年度の工事計画

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本年度から始まる工事は、水位低下維持装置の設置から始まりますが、現在工場で門を製作中とのこと。完成次第現場でゲート設置と放流路の掘削などを行い、来年の3月ぐらいからこの設備により水位を低下させるそうです。また、来年に入ると、一番右岸のゲートの撤去に入ります。

ともかくも、いよいよ始まるダム撤去に地元の期待は膨らんでいます。

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