コンジットダム撤去ーアメリカ、二番目に大きなダム撤去開始
アメリカはこの秋、本格的な大型ダムの撤去の時代に突入しました。9月中旬に撤去開始されたエルワ川の二つのダム撤去に続き、昨日10月26日はコンジットダムが撤去開始されました。
コンジットダムとは
コロンビア川とホワイトサーモン川(流域面積は約1002km²)の合流点から5.3kmのところに1913年に建設された堤高約38m、堤幅約122mの発電ダムです。30㎞にも及ぶサケやスチールヘッド、ヤツメウナギなどの生息地や遡上を阻害しているとして、魚のために撤去される計画としてはアメリカで2番目に大きなダムです。ダムが建設される前は、サケの成魚は8000匹ほどいたといわれています。
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撤去の方法
撤去の方法は、昨日下部を爆破によって穴をあけられることから始められました。約320キログラムのダイナマイトが今回使用されています。開けられた3.6×5.5mの穴からは、98年分の土砂が6時間で一気に放出されるといいます。
爆破されると濁水が一気に流れだし、水位も見る見る間に下がっていきます。支流にあるダムで下流に人家とかないにしても、ダイナミックな撤去方法にはびっくりです。
サケなどはあらかじめ捕獲され、上流に放流され、ダム湖の水位も下げられた上で行われています。
撤去費用は約25億円で、2012年8月に撤去完了予定です。
今後の予定
今冬は、撤去工事は行わず、サーモンの活動や堆積物が安定するのを待ち、来年の春に残りのダム本体を撤去する予定です。
この流域も昔はヤカマ族がサーモンを捕って暮らしていました。彼らもまた川が復活して、サーモンが戻ってくるのを楽しみにしています。
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