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2011年9月15日 (木)

エルワ川の二つのダム撤去、カウントダウン

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cancer9月17日、撤去開始を前に、大規模祝賀会始まる

今、アメリカの新聞は毎日のように、二つのダムの撤去(エルワダム・グラインズキャニオンダム)に関する記事が掲載されています。

Photo (↑ゲート全開中のエルワダム。Olympic National Park HP から)数百のダム撤去の事例があるアメリカで、どうしてここまで注目されているのか、それには理由があります。すでに1000近い撤去事例があっるアメリカでもこれほど大きなダムを二つ一緒に撤去するというのは初めてです。いよいよ大型ダムの撤去の時代に入ったことの象徴となる事業となっています。

球磨川程の規模のエルワ川にある高さ約32mと高さ約64mのダム二つを撤去する目的は、エルワ川の再生としたもので、この二つのダム撤去が川の再生にどれほどの影響をあたえるのか検証する大事な機会であるという視点から捉えられています。そして、実際今後予定されている大型ダムの撤去に生かされるため、現場では、建設以来激減したサーモンなどの魚類をを始めとする様々な調査研究が、河口までを含めた流域全体を視野にいれ実施されています。

 ⇒エルワダム撤去と河口の調査を報じたニュース

cancer二つのダム撤去に対する研究者の関心

荒瀬ダム撤去場合は、撤去の影響は遥拝堰(荒瀬ダムの下流にある堰)までしか及ぼさないとして、モニタリング調査の範囲は遥拝堰までにとどまり、球磨川汽水域、河口の干潟や八代海までは調査の範囲に含まれていません。これはとても残念なのとです。エルワ川の場合はダムを撤去することで、降下性のサケが流域にどの程度戻ってくるかだけでなく、河口の干潟の生物の生息環境の変化から流域に生息する動物(熊やワシ、カワウソ)などの生息にどのような影響をあたえるのかまで、様々な調査が開始されています。

もちろん、潜在植生の復元やサーモン孵化事業など、再生のための積極的な事業も展開されています。

アメリカの地質研究者たちは、この二つのダムの撤去が与える影響について、以下の視点で注目しています。

●サーモンの数が、その生活史における多様性、生産性の観点からどのように変化するか。

●サーモンの復活が在来性の魚類や他の水生生物にどのような影響を与えるか。

●堆積物はいつどのようにして流域に還元されるか。

●ダム撤去終了後、どこくらいの期間で生態系、特にダム湖部分の生態系が復元されるか。

●放出されたダム湖の堆積物が淡水や海域の生態系及び生物相にどのような影響を与えるか。

●ダックや川の底生生物、カエル、熊などにダム撤去はどのような影響を与えるか。また、サーモンは流域の上流にまで戻ってくるか。

●ダム湖の露出した範囲で、どのような植物が確認されるか、また、先駆植物はどのような役割を果すか。

・・・荒瀬ダム撤去においても、ようやく大学の研究室など様々な研究者が関心をもち現場に訪れつつあります。私たちも市民レベルでの調査を開始しています。しかし、様々な観点からの調査は未だに不足していますし、その調査研究に対して、県や国からの協力・補助がないことは、本当に残念です。これからに期待したいものです。

cancer二つのダム撤去により期待される効果

国立公園保全局は、この二つのダムの撤去がもたらすであろう効果について、次のように述べています。

1.サーモンが河口から70kmまで遡上できるようになり、その数が3000から40万に増える。

2.エルワ川と共に生きてきた先住民族の伝統・文化が復活する。

3.エルワ川流域の生態系が再生する

4.サーモンが川に戻り、川が再生することによって、釣りやカヤックなどレクレーションの場をもたらし、地域が活性化することによって経済的効果をもたらす。

5.山からの土砂が海まで供給され始めることによって、元の海岸や河口干潟がよみがえる。

荒瀬ダム撤去の地元でも、これらの予想は、荒瀬ダム撤去によっても同様だと期待が膨らんでいます。

cancerElwha River Restoration and Dam Removal Ceremony

そのダム撤去を前に、今月9月17日祝賀会を始め様々な関連イベントが13日夜から開始されています。著名人を招待した式典はもちろんのこと、参加できない人のためには大型スクリーンによる生中継、イベント広場におけるアーテストたちの音楽やトーク、ダムに関する資料のブース設置。また、撤去の過程や川の再生をテーマにした2日間に亘るシンポジウム開催や川の再生をテーマにした野外での環境学習ブログラムなどにも力を入れています。

楽しいところでは河口からダムまでの探検ツアー、河口でのサンセットクルーズ、ダム周辺のトレイルハイキング、先住民族であるクララム族との交流会など、イベントはどれもこのダム撤去を心待ちにしたきたのかその歓びが日本にいる私たちも伝わってくるものばかりです。全米から集まるであろうマスコミはホテルに臨時報道室を設置し、毎日のように特別番組が組まれています。祝賀会の様子は動画配信(→こちら)も予定されています。

詳しくは、Celebrate Elwha!のイベント案内を見て下さい。

また、ダムサイトやダム湖の毎日の変化は、下記サイトのスライドショーで閲覧可能です。

   ⇒Elwha River Restoration Project

ともあれ、

エルワダム、グラインズキャニオンダムの撤去開始に乾杯!

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