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2010年8月16日 (月)

確かに変わりつつある球磨川河口干潟

cancer球磨川河口の干潟の変化は、荒瀬ダムゲート開放の影響か?

球磨川河口には広大な干潟が広がります。有明海ほどではありませんが、大潮の時には干満差3~4mがあり、沖合に3~4kmの干潟が出現します。10年ほど前は、その広い干潟を歩くことはできませんでした。膝ぐらいまで入るほどにぬかるんで、護岸から干潟に入ることは困難でした。P1050404

cancer干潟を楽しむ人が増えてきた

それが変わってきたのは、平成14年に荒瀬ダム撤去が決定し、冬季試験的にゲートを全開し出してからです。2~3年もすると、護岸から干潟に入ることができるようになりました。年々確かに砂が増え、歩きやすくなってくると共に、干潟でアナジャコ採りをする人が増えてきました。今では、休日問わず、多くの人がアナジャコ採りを楽しんでいます。Photo

Photo_2 アナジャコ採りは、ここでは二つの方法があります。一つは、アナジャコの穴に筆を入れて採る方法です。筆を侵入者と思い、追い出しに上がってきたところを捕まえる方法です。もう一つは、洗濯バサミにおとりのアナジャコをはさみ、穴に入れます。やはり、敵と思って上がってきたところを捕まえるものです。簡単なように見えますが、とても難しいです。しかし、慣れた人は、あれよあれよと言う間に、持ってきた入れ物一杯にしてしまいます。

cancer増えてきた生き物たち

行く度に、干潟は確実に歩きやすくなっています。砂が増えているのは間違いありません。それと共に、ある程度の砂がないと生きていけない生き物の数が増えています。また、ここ数十年漁師さんも見たことがないという生き物が、増えています。

Photo_4 数年前まで、球磨川河口でも絶滅が心配されていました。しかし、現在ではかなり増えています。一昨年は、アサリと同じぐらい店頭にも並んでいました。球磨川のハマグリは、色が黒く、つやがあるのが特徴です。時には手のひらサイズもありますが、昔は当たり前のサイズだったようです。

Photo_5 漁師さんも、ここ数十年は河口では目撃していないというシャミセンガイがかなり確認されるようになっています。

Photo_6 「昔、一番沢山いた貝で、今は全くみなくなった貝は何ですか」と尋ねると、市民も漁師さんも「ウノカイ」「ウノキャイ」という答えが返ってきます。そのウノカイの学名が分からず、図鑑を持っていろんな人に確認したら、オオノガイであることが分かりました。その「オオノガイを食べたい」というのも、私の活動の動機だったのですが、3年前からオオノガイ情報がチラホラ入ってきて、漁師さんが一つ持ってきてくれました。早速、お吸い物にして頂きました。海沿いに住む人は、「ナベを火にかけて、採りに行くと、湯が沸くまでには十分採れた」というオオノガイです。今後、どんどん増えていってほしいものです。

Photo_7 餌を巣穴に運ぼうとしているオサガニです。熊本県でも絶滅危惧種に指定されています。このあたりの干潟には、泥の多いところに生息するヤマトオサガニが優選種でしたが、このところ砂地を好むオサガニが確実に増えています。

cancer人が入ることで心配も・・・

去年まではアナジャコ採りができる範囲は、まだ狭く限られていました。しかし、今年に入り格段にその範囲が広がっています。そのために、干潟中アナジャコ採りのために掘った穴で、干潟はデコボコです。掘るときに、他の生き物の巣穴もみんな壊されてしまいます。このことが、干潟の生き物の生息環境に大きな影響を与えている可能性があります。干潟にはシオフキの死骸がごろごろしていますが、殻が弱いために、アナジャコ掘りで少しでも傷つけられると死んでしまうためです。また、本当は干潟表面に出てこないワラスボが表面で泳いでいたりするのも、アナジャコ採りの影響ではないかと心配です。Photo_8

P1060372 オサガニに集るアラムシロガイです、弱った生き物を感知すると、あっという間に集まってきます。最初触られると、みるみる弱っていきます。干潟の食物連鎖ですが、アナジャコ採りの際に、やはり傷つけられるのか、こういう光景が多く見られます。

昔は、採っても採っても、採りつくせないほどの生き物がいた干潟を知っているのが地元の人です。その時の感覚が残っているのかもしれません。荒瀬ダムが撤去されて、そういう干潟が戻ってくるのかもしれませんが、その時までは、やっと増え始めた干潟の生き物と人々の楽しみが共存できる方法についても考える必要があるように思います。

しかし、荒瀬ダムの撤去が干潟にどのような影響を与えるのかは心配より楽しみの方が多いことに間違いありません。私たちも仲間と干潟の調査を開始したばかりです。

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