« 2010年7月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年8月

2010年8月24日 (火)

不知火海の恵みが並ぶ蛇籠の朝市

fish地元ならではの朝市

毎週日曜日に開かれている蛇籠の朝市に出かけてみました。不知火海の採れたての魚介類が並びます。面白いのは、お客さんが集まる時刻6時前に行っても、農家の方が野菜を売っている以外、何も並んでいません。

人だけがやたら一杯になる6時ごろになると、トラックが三々五々広場に集まってきて、開いたスペースに駐車をします。各トラックの周りや、前もって設置してあった販売台の周りにはあっと言う間に人垣ができ、めいめいお目当ての魚介類を買っていきます。販売しているのは殆どが地元の漁師さんです。とても安い!中には、箱ごと買っていく人もいます。

6時に始まって、あっという間に完売、22日の朝は終わった時は6時18分でした。終了間際になり、商品が残りそうだと、更に安くたたき売ってしまいます。この駆け引きも、朝市の魅力です。漁師さんの気分でおまけがあったり、なじみの客には更に安くなったりと・・・地元ならではの市場風景が展開されます。今の季節では、チヌ(クロダイ)、タコ、サザエ、キス、ガザミ、セイゴなどが並びます。

Photo 蛇籠港です。球磨川は河口近くで二つに分かれますが、その分かれた前川の河口近くにあります。昔はこちらが本流で、蛇籠港は以前は古くから漁港や商業港として賑わってきたところです。

Photo_2 広場には次々に車や人々が集まってきますが、この時点では農産物以外は何も搬入されていません。

Photo_3 農産物の販売は朝5時30分ぐらいには始まっています。スイカ、メロン、ブドウ、キューリ、ゴーヤなど季節の野菜や果物が箱ごと地面に置かれていきます。メロン1個250円、キュウリハは6本ぐらい入って100円、巨峰一箱500円、ゴーヤ2本で100円、ナシ4個で100円と、どれも安いです。1週間分の野菜を調達しました。

Photo_4捕れたての魚を搬入してきた舟です。準備段階ですが、周りには人が集まり、すでに品定めが始まっています。

Photo_5 6時になり、広場の空いたところに漁師さんのトラックが次々に駐車すると、あっという間に人が集まります。市の開始です。

Photo_6 Photo_7 (↑田畑清霧氏撮影)トラックから魚介類が入ったトロ箱や籠をおろして、販売する漁師さんもいます。また、あらかじめ設置されていた販売台を利用したりと、どこも人でいっぱいです。

Photo_8 新鮮なチヌ。まだ、ピチピチと跳ねていました。2キロぐらいの大きいのから手のひらサイズと大きさもまちまちです。

Photo_9 荷台は殆どカラになってしまいました。この大きさのタコを1匹500円でゲットしました。

Photo_10 もう殆どのトラックが引き上げ、人もすっかりいなくなりましたが、この売り場のチヌが3匹残っているというので、3匹500円で交渉を始めました。傍にいる人が、「私は2匹700円で買ったのに、それはずるい」と横から口を挟みます。そうすると、傍にいた人が、「それなら600円で買う」と。「すでに購入しているので、いらない」と言うと、600円で買うと言った人に、「もう、ただで持ってけ」と。漁夫の利を得たのはおなじみさんでした。

日曜早朝の約30分足らずの朝市は、地元に生きる人々の生き生きとした生活を垣間見ることができ、楽しいものです。また、旬のものが新鮮なまま手に入り、早起きは3文以上の得があり、やみつきになりそうです。

|

2010年8月23日 (月)

ゲート全開4ヶ月後の河原の植物

clover河原に浸入し始めた植物たち

荒瀬ダムのゲート全開から、4か月が経過しました。荒瀬ダムから鎌瀬までは、まだ湛水域ですが、水位はかなり下がっているため、河原が出現しています。河原に堆積していた泥はすでに流され、多くの河原ではサラサラした砂や、砂礫で覆われら様子が観察できます。それに従って、河原にも植物が浸入し始めています。

22日、荒瀬ダムウォッチングがあり、昼食場所である川岳保育園横の河原の植物を、休憩時間を利用して30分ぐらい観察してきました。

clover鎌瀬地区における満水時とゲート全開後の変化

平成22年3月末の鎌瀬です。河原は当然みえません。Photo

ゲートの全開は、平成14年から冬季2か月間づつ行っています。平成15年時の鎌瀬の河原の様子です。H157

ゲート全開後の平成22年4月の鎌瀬です。河原が出現していますが、満水時に水面下であっら河原には、植物は見当たりません。また、この区間はゲート全開までの数年に亘って、土砂の除去がかなり進み、この時点ではすでに泥はかなり取り除かれています。H220417

平成22年7月月始め、ゲート全開後3カ月過ぎた鎌瀬の河原です。水際線近くまで、砂礫が占める割合が多くなっています。満水線より下の部分までかなり、植物が浸入しています。

clover満水位線近くの植物たち

8月22日の河原の様子です。平常時と洪水時の満水線だった範囲に浸入している植物は、このあたりの荒れ地には普通に見られると思う植物が浸入しています。対岸の護岸も満水位だったところから、3分の1付近まで緑で覆われています。H220822_3 Photo_7 観察できた植物たち:ヨモギ、アメリカセンダングサ、ツユクサ、メリケンムグラ、トウバナ、オヒシバ、メヒシバ、ヤナギハナガサ、ヒメミカンソウ、スギナ、オオオナモミ、エノキグサ、ヒメクグ、クグガヤツリ、ヤナギタデ、アリタソウ、イヌビユ?(←)

clover満水線より下であった場所に出現した植物たち

ゲート全開前は、水面下にあったが、水位の変動もかなりあったと思われる範囲です。様々な植物が浸入していましたが、まだ種類は少なく、ヤナギタデが殆どを占めています。

H220822

Photo_2観察できた植物:ヤナギタデ、メヒシバ、オオオナモミ、ハマスゲ、クワモドキ、タカサブロウ、アメリカセンダングサ、エノコログサ、ホソバイヌビユ、カワラケツメイ。(ヤナギタデ以外の種は株は少ない。)また、名前が不明なものが一種ありました。

clover砂礫の間に見られる植物

Photo_3

Photo_4 まだ、面的な広がりはなく、河原の砂礫の間に、ポツポツと植物が見られます。ハマスゲが殆どで、シバが少数確認できました。Photo_5 河原の石の様子です。もう、泥に覆われて白くなっているという状態ではありません。

短時間でしたので、河原全体を確認することができませんでしたが、今後の変化がとても楽しみです。

しかし、この上流には瀬戸石ダムが存在したままです。ここで、水量がコントロールされている以上、自然の河川とはいえず、治水ダムでないにしても、河原の撹乱は制御されたままです。ツルヨシなどが繁茂し、砂礫の河原が消失してしまう可能性もないとは言えません。

|

2010年8月16日 (月)

確かに変わりつつある球磨川河口干潟

cancer球磨川河口の干潟の変化は、荒瀬ダムゲート開放の影響か?

球磨川河口には広大な干潟が広がります。有明海ほどではありませんが、大潮の時には干満差3~4mがあり、沖合に3~4kmの干潟が出現します。10年ほど前は、その広い干潟を歩くことはできませんでした。膝ぐらいまで入るほどにぬかるんで、護岸から干潟に入ることは困難でした。P1050404

cancer干潟を楽しむ人が増えてきた

それが変わってきたのは、平成14年に荒瀬ダム撤去が決定し、冬季試験的にゲートを全開し出してからです。2~3年もすると、護岸から干潟に入ることができるようになりました。年々確かに砂が増え、歩きやすくなってくると共に、干潟でアナジャコ採りをする人が増えてきました。今では、休日問わず、多くの人がアナジャコ採りを楽しんでいます。Photo

Photo_2 アナジャコ採りは、ここでは二つの方法があります。一つは、アナジャコの穴に筆を入れて採る方法です。筆を侵入者と思い、追い出しに上がってきたところを捕まえる方法です。もう一つは、洗濯バサミにおとりのアナジャコをはさみ、穴に入れます。やはり、敵と思って上がってきたところを捕まえるものです。簡単なように見えますが、とても難しいです。しかし、慣れた人は、あれよあれよと言う間に、持ってきた入れ物一杯にしてしまいます。

cancer増えてきた生き物たち

行く度に、干潟は確実に歩きやすくなっています。砂が増えているのは間違いありません。それと共に、ある程度の砂がないと生きていけない生き物の数が増えています。また、ここ数十年漁師さんも見たことがないという生き物が、増えています。

Photo_4 数年前まで、球磨川河口でも絶滅が心配されていました。しかし、現在ではかなり増えています。一昨年は、アサリと同じぐらい店頭にも並んでいました。球磨川のハマグリは、色が黒く、つやがあるのが特徴です。時には手のひらサイズもありますが、昔は当たり前のサイズだったようです。

Photo_5 漁師さんも、ここ数十年は河口では目撃していないというシャミセンガイがかなり確認されるようになっています。

Photo_6 「昔、一番沢山いた貝で、今は全くみなくなった貝は何ですか」と尋ねると、市民も漁師さんも「ウノカイ」「ウノキャイ」という答えが返ってきます。そのウノカイの学名が分からず、図鑑を持っていろんな人に確認したら、オオノガイであることが分かりました。その「オオノガイを食べたい」というのも、私の活動の動機だったのですが、3年前からオオノガイ情報がチラホラ入ってきて、漁師さんが一つ持ってきてくれました。早速、お吸い物にして頂きました。海沿いに住む人は、「ナベを火にかけて、採りに行くと、湯が沸くまでには十分採れた」というオオノガイです。今後、どんどん増えていってほしいものです。

Photo_7 餌を巣穴に運ぼうとしているオサガニです。熊本県でも絶滅危惧種に指定されています。このあたりの干潟には、泥の多いところに生息するヤマトオサガニが優選種でしたが、このところ砂地を好むオサガニが確実に増えています。

cancer人が入ることで心配も・・・

去年まではアナジャコ採りができる範囲は、まだ狭く限られていました。しかし、今年に入り格段にその範囲が広がっています。そのために、干潟中アナジャコ採りのために掘った穴で、干潟はデコボコです。掘るときに、他の生き物の巣穴もみんな壊されてしまいます。このことが、干潟の生き物の生息環境に大きな影響を与えている可能性があります。干潟にはシオフキの死骸がごろごろしていますが、殻が弱いために、アナジャコ掘りで少しでも傷つけられると死んでしまうためです。また、本当は干潟表面に出てこないワラスボが表面で泳いでいたりするのも、アナジャコ採りの影響ではないかと心配です。Photo_8

P1060372 オサガニに集るアラムシロガイです、弱った生き物を感知すると、あっという間に集まってきます。最初触られると、みるみる弱っていきます。干潟の食物連鎖ですが、アナジャコ採りの際に、やはり傷つけられるのか、こういう光景が多く見られます。

昔は、採っても採っても、採りつくせないほどの生き物がいた干潟を知っているのが地元の人です。その時の感覚が残っているのかもしれません。荒瀬ダムが撤去されて、そういう干潟が戻ってくるのかもしれませんが、その時までは、やっと増え始めた干潟の生き物と人々の楽しみが共存できる方法についても考える必要があるように思います。

しかし、荒瀬ダムの撤去が干潟にどのような影響を与えるのかは心配より楽しみの方が多いことに間違いありません。私たちも仲間と干潟の調査を開始したばかりです。

|

2010年8月12日 (木)

ゲート全開から4ヶ月後の球磨川下流

川には碧が、護岸には緑が復活しつつある球磨川下流

4月1日のゲート開放から約4カ月たった、8月8日、球磨川下流を訪れてみました。昔は八代から坂本町に入る付近から上流の球磨川は富栄養化した川独特の深い緑色でした。ゲートを全開してしばらくすると、遥拝堰の湛水域に一筋の流れができ、水が流れているなあという感じはありましたが、水の色にすぐ変化はみえませんでした。

それから4か月。ダムは撤去されたわけではなく、荒瀬ダム上流の水位は下がったものの、ダム湖が存在しています。しかし、ゲート全開により水が流れ出したことにより明らかに変化がでています。8月8日の球磨川の下流の様子を紹介します。

fish深見橋の下流Photo 荒瀬ダムから7km下流にあり、このあたりは、水量はダムの影響を受けない地区ですが、水質は明らかに違ってきています。水の色が変わっただけで、景色まで変わって見えます。

fish宮ノ瀬Photo_2

坂本町中心部下流に流入する油谷川との合流点下流にある瀬で、荒瀬ダム下流にあるので、ゲート全開前からあります。しかし、やはり色が全く違います。川辺川ぐらいでしか見られなかったきれいな瀬が復活しつつあります。

fishダム下流部の変化

ゲート全開前の荒瀬ダムの下流です。ゲートが一つ開いていますが、殆ど水は流れていません。Photo_3

8月8日の荒瀬ダムの直下です。色も水量も全く違います。全開されたゲートの向こうの水の色も青みがかっています。Photo_4

fishダムの上流の変化

ゲート全開直後のダム上流部です。水位は下がっていますが、まだダム湖です。水位が下がって、露わになった護岸が景観を損ねています。P1060236

8月8日の写真です。護岸はかなり緑で覆われています。また、水の色からも明らかに水質が改善されているのが分かります。P1070360

行く度に、水質も景観も護岸も変わっており、本当に感動します。自然は私たちが予想した以上に早く、元に戻ろうとしているかのようです。撤去されれば、この地点における水位は5m以上は下がると思われます。下流部に急流があると言われた球磨川が再び姿を現すことを予想するだけで、ワクワクします。

地元の人たちも、早く一か所でいいので、ゲートを壊してほしいと願っています。今の技術で、エプロン(越流部で、河床から10mぐらいある)を壊すということは、本当に出来ないことなのでしょうか?全国の技術者に呼び掛けて、このダム撤去と撤去後の川の再生を実現すれば、県にとって撤去費用以上に多くのメリットがあるのにと、変わりつつある球磨川を見る度に思います。

|

2010年8月11日 (水)

球磨川流域エコーツアー

fish2泊3日の球磨川流域をめぐる“いきものバンザイツアー”

8月の6日からの3日間、自然保護協会主催、パタゴニア共催の企画「もり・かわ・うみ・いきものバンザイツアー」の案内してきました。メニュー盛り沢山のよくばり企画でしたが、参加者には大変喜んでいただきました。一つ一つを紹介するだけで、大変ですので、とりあえず、写真だけでコースを紹介します。

1)五木村で、村長さんからお話を聞くPhoto_15頭地の昔の集落があったところです。現在民家は一軒のみ。すぐ下の建物は新しい中学校。 Photoかやぶき民家で、和田五木村長さんから、川辺川ダム計画に翻弄された歴史や、現在五木村が抱える課題や将来についてのお話をお伺いしました。その後、五木ピーアール隊の豊原さんに五木村の歴史や現状についてお話を聞かせてもらいました。

2)ダムサイトを見るPhoto_16

3)川辺川(境田橋)で遊ぶPhoto_2

境田橋下の河原で水遊び、水生昆虫の観察会をしました。ここは、小学校から高校生まで付近の子供たちが大勢遊んでいます。参加者は一緒に泳いだり、岩の上から飛び込んだりと、すっかり川ガキになっていました。Photo_3

4)川辺川(廻り観音)を見る

5)アユを食べながら漁師さんの話を聞くPhoto_4人吉旅館で一風呂浴びて、夕食です。アユ漁師の吉村さんのお話を聞きながら、アユをいただきました。今年はあまりアユが採れていないとのこと。

6)青井神社に詣でる(オプション)Photo_5 早朝から旅館のすぐ前にある青井阿蘇神社を散策・見学しました。

7)球磨川下り(急流コース)を体験するPhoto_6渡から球泉洞までの急流コースの球磨川下りを楽しみました。急流に差し掛かると、船頭さんも真剣です。思った以上のスピードです。やっぱり球磨川観光の目玉だけあり、楽しめました。

8)荒瀬ダムを見学するP1070083 荒瀬ダムのダムサイトで、地元の本田さんからダム建設前後の坂本町の様子についてお話をききました。

9)地元の方の話を聞くPhoto_7 昼食予定していた「和嶋」の福嶋さんから、食事前に昔の球磨川の様子やアユの話を聞きました。

10)河口の干潟を観察するPhoto_8 暑い盛りの午後2時30分。暑さが心配でしたが、干潟を歩く感触や生き物の観察を楽しんでいただけたようです。

11)舟出浮きを体験するPhoto_9 舟出浮きは漁師さんの舟に乗って、漁を見学し、捕獲した魚を料理していただく観光レジャーです。しかし、この日は夕立や雷が心配されたため、漁の様子だけ見学すると、引き上げて室内で漁師さんが準備してくれて海の幸を頂くことになりました。

12)不知火海の幸を頂くPhoto_10 いろんな種類の魚の刺身やハマグリの酒蒸し、カニ、たこ飯など、食べきれないほどのご馳走です。また、漁師さんを囲んでのお話が何より楽しい時間になりました。

13)夜市に出向く(オプション)Photo_11 この日はたまたま「球磨川祭り」と土曜夜市が重なって、本町アーケードは大変な人出です。

14)朝市見学Photo_12 蛇籠港では毎週日曜日の早朝6時から朝市があっています。漁師さんが採れたての魚を搬入する前に人々が集まります。トラックがくると、それぞれのトラックの周りに人が集まります。売り切れるまでの30分ぐらいの間、一番安くなるタイミングをみて買います。余るような時は、売り切ってしまいたいので、3分の1ぐらいになったりします。どちらにしてもみんな新鮮で安いです。

15)ツアーの振り返りPhoto_13

二泊3日のツアーで参加者が感じたことなどを発表する振り返りの時間です。「他の観光旅行では味わえない体験ができました」「多様性の意味を肌で感じた」などエコツアーならでの感想をいただきました。

16)「鮎屋三代」をお土産に解散!Photo_14

「鮎屋三代」は九州の駅弁大会で毎年1位、2位を争う名物弁当です。皆さん、帰りの電車や飛行機の中で、この球磨川流域を思い浮かべながら、召し上がって下さったことでしょう。

|

« 2010年7月 | トップページ | 2010年10月 »