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2010年7月

2010年7月29日 (木)

第3回荒瀬ダム撤去技術研究委員会

basketball第3回撤去技術研究委員会が開催されました。

平成22年7月23日(金)県境の2回多目的AV会議室において、第3回技術研究委員会が開催されました。この日で審議は終了、報告書としてまとめられ、これをもとに今後撤去計画が作成される予定です。

以下、翌日の新聞を紹介します。

県営荒瀬ダム:撤去技術委、工法や土砂処理法まとめる

◇県、12年度から作業開始へ

 県営荒瀬ダム(八代市)の撤去を河川工学などの面から専門的に検討していた「荒瀬ダム撤去技術研究委員会」(委員長=福岡捷二中央大教授)は23日、最終会議を県庁で開き、撤去工法や土砂処理方法などを取りまとめた。県はこれを基に撤去計画案を年内に策定し、12年度から撤去作業に入る。

 撤去工法は、06年3月に県が作った荒瀬ダム撤去方針を踏襲し、流水量の多い右岸側から順に6年かけて橋脚やコンクリート部分を撤去する「右岸先行スリット撤去工法」を採用した。また撤去や土砂除去が生態系や自然環境に与える影響を追跡調査する環境モニタリングの実施計画もまとめた。

 最終会議で委員からは「(委員会の最終)報告書では、撤去事業が持つ『球磨川の再生』という視点をもっと強調すべきだ」などの意見が出た。

 会議に出席した蒲島郁夫知事は「国内初の本格的なダム撤去に向け、最新の知見と技術による内容の濃い素晴らしい審議ができた。費用面の検討も合わせ、慎重に撤去準備を進めたい」と話した。

 今後、改めて各分野の専門家らでつくる「荒瀬ダム撤去フォローアップ専門委員会」(仮称)を設置し、技術面や環境モニタリング結果に基づく検討をする。【笠井光俊】毎日新聞

basketball取り上げられなかった住民の意見

各マスコミをみると、有意義な審議が行われたように思えます。確かに、この日は住民からの荒瀬ダム広報等に関する意見要約も配布され、いつもより活発な意見が出されたようです。また、住民意見への言及もあり、「住民意見を興味深く拝見した」というコメントも複数の委員からあったようです。しかし、住民の意見をみると、「これ以上の土砂除去はいらないのではないか」「自然流化でいいのでは」という意見がかなりあったにも関わらず・・・一人の委員がそのことに対して指摘はされたものの、これ以上の土砂除去の必要性について議論されることはありませんでした。つまり、住民からは出された31件の意見は、どれも取り上げて議論されることもなく、一枚のペーパーにまとめられて配布されること以上の意味はないように思えました。

ただ、住民の再生への願いに言及し、複数の委員から「球磨川の再生」ということを報告書にきちんと入れてほしいという意見があり、これはとり入れられそうです。

しかし、環境モニタリングにしても、撤去の影響を調べることが目標になっており、再生するためには、どういう視点での調査が必要かという議論にまで行かなかったようです。例えば、私たちが願うモニタリングは、撤去によってどれだけの産卵場が復活するかということではなくて、そこできちんと産卵が確認され、そこで孵化した仔魚が無事八代海まで下っているのか、それを調べるためにはどういう調査が必要なのか、また下ってない時は、上流の瀬戸石ダムや下流の遥拝堰の運用をあれこれ変えながら調査をしてはどうかなど・・・実際に撤去がアユの増加につながるための環境モニタリングです。モニタリングは、委員の方々も言う「球磨川の再生」のために必要な手段であって、目標ではない・・・そういう視点での意見がほしかったと思います。

これまでも何度も主張してきましたが、荒瀬ダム撤去の方法、環境対策を決定する上において、住民との合計形成のプロセスが欠落したまま、報告書がまとめられることになったことは、とても残念です。

今後については、県は再び学識研究者を交えた「荒瀬ダムフォローアップ専門委員会(仮称)」を設置し、撤去工事の影響を把握するためのモニタリング結果の評価・検証を行い、また住民や関係団体とも十分に連絡調整を行うとしています。一方通行的な意見聴取にならず、対話というキャッチボールをしながら、進めていってほしいものです。

しかし、撤去も球磨川の再生もまだこれからです。調査結果は広く公開し、今後とも住民の意見だけでなく、広く県内外の専門家の意見を反映させながら、全国初のダム撤去を成功させてほしいものです。

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球磨川の魚ーサナボリ

球磨川の瀬戸石ダムから遥拝堰まで、現在27種の魚が確認されています。もちろん、アユが最もよく知られた魚ですが、その他に市民になじみの深い魚がサナボリです。サナボリというのは、ヨシノボリの八代地方における俗称です。現在、この区域にはヨシノボリは、オオヨシノボリ、トウヨシノボリ、シマヨシノボリの3種が生息しているようです。昔は護岸や岩などに一面ににべったり張り付くサナボリが観察できるほどたくさんいたようです。現在はすっかり少なくなってしまいましたが、それでもかなり見ることができます。

今の時期、そのヨシノボリの稚魚をかなり見ることができるようです。その稚魚を「食べて下さい」とたくさんいただきました。

Photo

球磨川の最下流の堰を上ることがことができず、いっぱい集まってきているところを網で掬うのだそうです。下流で生き残って、大きくなったの場合にのみやっと遡上できるということのようです。稚魚も遡上できる魚道の改良が待たれます。

小さい(1.5~2cm)ので種類は分かりませんが、小さいながら縞がありますので、シマヨシノボリかなと思っているところです。Photo_2

みんな上流に遡上してほしかったと思いながらも、せっかく頂いた恵み、食してみることにしました。もちろん食べるのは初めてです。まず、真水でよく洗って、生姜を入れて、二杯酢で食してみました。微妙な、初めての食感です。美味しいような美味しくないような・・・でもそんなには食べられません。その次にかき揚げはいけるのではないかと思い、小麦粉を溶いて、サナボリ稚魚、アオノリ、シソの葉を加えて、揚げてみました。これは、結構おいしかったです。聞くと普通佃煮にすることが多いようですが、あまり一般受けしないのか、採る人は少ないようです。Photo_3

昔の人は、アユやウナギ、川ガニなど以外にも、こうした様々な自然の恵みを頂いていたのだろうと、また荒瀬ダム撤去後にどれだけの恵みが戻ってくるのだろうと、球磨川に思いを馳せながら、いただきました。もちろん、冷えたビールを片手に・・・・。

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2010年7月 8日 (木)

撤去の際の水位低下装置は必要か?

pisces水位低下維持装置って、何?

荒瀬ダムの撤去にあたって、まず水位低下装置を設置が必要というのが県の考え方のようですが、これに対して、住民からは、そんな装置をつける技術とお金があれば、土砂の流れ具合を見ながら、クレスト部分(越流部)を段階的に撤去することもできるはずという意見が出されています。

水位低下維持装置とは一体何なのでしょう?この水位低下装置については、まだ住民に対して詳しい説明は行われていませんが、県の公開資料や住民からの質問等から判断するに、以下のようなもののようです。

【設備概要】幅5.0m、高さ4.0m、設置数 2門

【設置目的】

1)非出水期に、①貯水を徐々に低下させる、②工事中の転流工。

2)出水期に洪水を利用した自然排砂。

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pisces担当者による説明

7月7日公開質問状提出時には以下のように説明しています。

ダムを建設する場合は、水が少ない時に工事を行うが、河川の水をどちらかに流しながらする必要がある。河川内の工作物設置する場合は、水があるので、水の流れを切り替えて行う必要がある(それと同じ)。現在ゲートを全開しているが、クレストにまだ水が貯まっている。撤去工事をするにも徐々にゲートを下げて工事をすることになる。下流へ水が急に流れないかと見ながら、水位を下げていきたい。自然相手なので、慎重にしたい。

大きい出水の時は全開した状態で、土砂等をある程度自然的に流せる装置となる役割もある。また、水位を下げることで、陸上での工事ができることになる。今、撤去技術研究委員会でも、その辺検証していただきたいと考えている(まだ、検証はされていない)。

pisces住民の意見

○水位低下維持装置は、存続の場合にも必要という設備だと聞く。本当に撤去のためのものか。

○下流の様子をみながら、右岸に少しづつスリットを開ければ、同じではないか。真中に開けるも右岸を開けるのも同じ。経費がかかるだけ。

○水があると工事ができないというが、水位低下設備でも同じ。下流から開けるといっても、矢板などで遮らないといけないのであれば、右岸を下流からあけるのと技術的には差がない。

○右岸先行であければ、アユも溯上できる。また、今ゲート全開で、放流の音で近辺の人は眠れないといっているので、その解消にもなる。

pisces本当に必要かどうかの検証が必要

県は荒瀬ダム撤去技術研究委員会で検証をしてほしいと言っているが、これまで2回開催されているものの、この水位低下装置に関する検証はされていません。

環境への影響などを勘案するためにも、この水位低下装置が必要と県は説明しますが、やはり矛盾を感じざるをえません。「下流への影響をみるために、水位を徐々に低下させる」と言いますが、これまで大水がある度に、一気に放流させて、急激な水位上昇や堆積物の放出するのになんのためらいもなく、住民の意見も無視してきたのが県です。右岸から徐々に高さも幅も見ながら撤去すれば、それは住民の許容範囲であることは間違いありません。また、水位を低下させることによって、陸上部が増えて作業がやりやすくなるといいますが、右岸を少し撤去することによって、当然堆積物は左岸よりに堆積します。真中に穴を開ければ、そこが通り道になり、右岸も左岸も堆積物に覆われることになります。そういう状況で左岸を撤去すれば、貯まった堆積物はそれこそ一挙に放出されるのではないでしょうか。また、水の転流工として、水の通り道が必要というのであれば、穴ではなく、真ん中から撤去してもいいはずです。

また、「出水の時は、全開して土砂を自然的に流す役目もある」という説明は、ますます理解しがたくなります。下流への影響を見ながらといいながら、一気に流すために利用するというのです。そうであれば、余計右岸を開けて、自然な流れをつくるのと、どこがどう違うのか分かりません。

素人考えかも知れませんが、だからこそ、余計に住民が理解できるよう、説明や質疑応答の場を設けてほしいというものです。また、本当にこの設備が必要かどうか、住民の意見も踏まえた議論を撤去技術研究委員会で議論してほしいものです。

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2010年7月 3日 (土)

球磨川と不知火海の恵みを味わうエコツアー

fish「もり・かわ・うみ・いきものバンザイ!ツアー 」

(財)自然保護協会が、ダム問題を抱える全国の4つの現場で、その問題点と自然の恵みを味わう「もり・かわ・うみ・いきものバンザイ!ツアー」を計画しています。その一団は8月6日から2泊3日で企画された川辺川(五木村・ダム建設予定地)→球磨川(人吉・荒瀬ダムサイト)→八代海をめぐる球磨川流域ツアーです。川辺川ダムや荒瀬ダムの問題点を学習すると同時に、川辺川でのシュノーケリング・アユ料理・球磨川下り・河口干潟観察会・船出浮(不知火海の幸堪能)と流域の自然を余すとこなく楽しめる、ちょっと贅沢で、自然の仕組みも学べるエコツアーです。個人ではなかなか計画できない企画ですので、この機会にどうぞご参加ください。

※日程の詳細、申し込み用紙等はこちらから

※参照:舟出浮き球磨川下り五木村

fish紹介>川辺川・球磨川(熊本)編

「尺鮎 宝あふれる清流、豊饒の八代海」

Photo

川辺川ダム計画中止と荒瀬ダム撤去・・・、全国から注目される最前線の現場です。ダム計画に翻弄された五木村から、荒瀬ダムゲート開放でさっそく変化のきざしが現れた八代海。この流域の全体を、知りつくした地元NGO のガイドによって川を楽しみ、美味しいシーズンを迎えた「天然鮎」を味わい、生物多様性の重要なキーワード「生態系サービス」を実感していきます。

この夏、本物の自然や生きものの営みにふれ、自然をつぶさない“ 人と自然の関係” を学んでみませんか。

期 間:2010年8月6日( ) ~8日(日) 2 3

定 員:20名(最小遂行人数18名)

参加費: 43, 000円(2 3 日、食事代、乗船代、バス代、保険料等)

集 合:JR 新八代駅東口(九州新幹線・鹿児島本線/熊本空港から連絡バスで約1 時間)集合6日12時45分、解散8日11時ごろ

案内役:つる詳子(環境カウンセラー)、田畑清霧(熊本県自然観察指導員連絡会)

主なプログラム:

・ダム計画で水没予定地とされた五木村を訪れ、現状を知る。

・趣きある老舗温泉「人吉旅館」の一夜、天然鮎を食べ、温泉につかる。

・急流名物「球磨川下り」で川のダイナミックさを体験する。

・河口干潟で、生きものから川と海の連続性を観察する。

・遊漁船「やつしろ船出浮(ふなでうき)」で、獲れたての海の幸を楽しむ、八代海の夕べ。

・「川辺川・球磨川・八代海のこれまでとこれから」をともに考える。

主催・企画: 日本自然保護協会(NACS-J

日本の自然を子どもたちに受け渡すため、自然のしくみを調べ・守り・価値を広める活動を全国2 万人の会員と行っています。半世紀以上の実績をもつ日本生まれの自然保護NGO。

共催:熊本県自然観察指導員連絡会

協賛・協力:パタゴニア日本支社

お申し込み方法

<申し込み先、申込に関する問い合せ先>

株式会社バカンスプロジェクト 担当:原口

860-0845 熊本市上通9-26-1FTEL096-212-6010 FAX096-322-5320 ricavp@me.com

営業時間:平日10:00 19:00 ( 土・日・祝日は休業)

<お申し込み方法>

別紙お申込書に必要事項をご記入の上、FAXまたはメール添付でお願い致します。トラブル防止の為、お電話での受付は致しませんのでご了承下さい。お申込後の変更等のご連絡も、FAXまたはメール添付でお願い致します。<申し込み締め切り>2010年7月20日(月)必着 (定員に満たし次第〆切

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2010年7月 2日 (金)

荒瀬ダム撤去工法等に関する意見募集への抗議

荒瀬ダム撤去工法等に関する意見募集

企業局は6月30日に荒瀬ダム撤去工法等に関する意見募集を開始しています。

1.趣旨

熊本県企業局では、荒瀬ダム撤去準備を進めていくにあたり、これまでの撤去工法等についての検討結果について「荒瀬ダム撤去技術研究委員会」を設置し、確認・検証を行っています。その後策定する荒瀬ダム撤去計画(県案)の参考とするため、ダムの撤去工法、コスト縮減、環境対策、その他の項目について、御意見や御提案を募集します。

2.応募方法

応募(募集)期間は平成22年6月30日(水)午前8時30分から平成22年7月14日(水)午後5時までです。(必着)

3.提出書類 様式(WORDファイル)

4.提出先

〒862-8570 熊本市水前寺6丁目18番1号

   熊本県企業局荒瀬ダム撤去準備室

   電話:096-333-2600

   Eメール:arase-dam@pref.kumamoto.lg.jp

5.提出方法 メール又は郵送

6.留意事項

(1)御意見、御提案については別添様式を使用し、意見・提案の区分に○を付けたうえで、600字詰めで必ず一枚以内にまとめて下さい。

(2)いただいた御意見、御提案については、要旨をまとめ「荒瀬ダム撤去技術研究委員会」等で御紹介することがありますので、あらかじめ御了承下さい。

意見募集に対する抗議・要望文提出

意見募集に対し、撤去の工法や環境調査等について何の説明もなく意見を求めるのはおかしいとして、本日住民団体より抗議並びに要望書が提出されています。

 ◆荒瀬ダムに関する意見募集に対する抗議並びに要望書◆

                         7月2日

熊本県知事    蒲島 郁夫 様

熊本県企業局局長 川口 弘幸 様

      荒瀬ダム撤去を求める会     代 表 本田 進

      美しい球磨川を守る市民の会  代 表 出水 晃

      やつしろ川漁師組合        組合長 毛利 正二

      荒瀬ダムの撤去を願う市民の会 代 表 濱田 律子

  荒瀬ダムに関する意見募集に対する抗議並びに要望書

 県企業局は、6月30日から「荒瀬ダム工法等に関する意見・提案募集」を開始し、広く専門家や県民の意見を聞くとされていますが、この意見募集にあたっては、以下の点から多くの問題があります。

1.現在の撤去計画案や環境モニタリング案及び調査結果等に関して、専門家や県民に対する事前の説明もない状況において、意見が言えるものは多くない。仮に企業局HPに公開されているものがあるとしても、そのことさえ周知されていないし、ネット環境のないものは、情報の入手さえできない。十分な情報公開が行われているとはいえない。

2.収集された意見は、現在行われている「荒瀬ダム撤去技術研究委員会」に反映されるものと思われるが、そこでの議論に対し、荒瀬ダムに関心をもつ県民や専門家がすべて傍聴できるわけではない。また、第2回委員会については、配布資料や発言録などの公開もまだである。委員会での議論の内容を知らずして、意見をいうことは困難である。

3.十分な情報もなしに意見を言うことは困難であるが、更に、一方的に収集して意見をもって、県民や専門家の意見を踏まえた撤去計画が策定されることにはならない。双方の意見交換・質疑応答等合意形成の過程があって初めて、知事が目標とする「撤去に向けて県民、関係者が一丸となった取り組み」が可能である。

以上の現状について抗議するとともに、意見募集締め切り前に、以下を実施することを要望いたします。

          記

1.意見募集を行う前に、現在の県の考え方及び荒瀬ダム撤去技術研究委員会における検証内容等について、説明会を開催すること。

2.第2回荒瀬ダム撤去技術研究委員会の配布資料・発言録を公開すること。

3.以上の内容について、県民や専門家に対し周知に努めること。

4.第3回技術研究委員会において、現場の状況を踏まえた議論ができるように、ヒアリングを行うこと。

5.以上を踏まえて、意見募集の期限715日は見直すこと。

以上

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※「意見募集の期限7月15日」は、14日の間違いです。

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