« 決壊した板木ダムは今 | トップページ | 五木村のお店紹介ー「はなみずき」 »

2010年4月25日 (日)

八代市民の台所、八代魚市場

fish市場の閉鎖を乗り越えて

八代市民の台所として、八代海の魚介類を一手に引き受けてきた八代魚市場が倒産したのは、2年前の2月のことでした。八代海の魚介類を扱う市場の倒産は、鮮魚商だけでなく、八代市民にとってもショッキングなニュースでした。すぐ傍に、八代海という漁場があるのに、15万都市である八代市から、魚市場が消えたというのですから、「八代海の漁業はそこまで疲弊したのか」と誰もが思ったようです。

しかし、魚市場の倒産は売り上げの減少ではなく、市場の所有者が全国でもめずらしい建設業者による経営であったため、建設業の不振のため、市場も手放さなくてはならなくなったという事情があったようです。翌日から困り果てた漁業者と小売業の人たちは、すぐ動きました。とにかく、セリが行えるよう、魚市場が他人の手に渡るまでは使用させてくれるようお願いして、倒産の翌日から、自分たちで競りを継続させたのです。そして、その間に、次の魚市場の建設と経営のため、走り回る日となりました。

その結果、翌年3月2日、八代漁協と鏡漁協、八代鮮魚商協同組合の共同で、八代共同魚市場を再開させることができました。広さは事務所も入れて、約150坪です。

そんな魚市場の現在の状況が気になり、4月17日早起きして、見学させていただきました。

Photo

Photo_7 朝6時過ぎ、八代海の漁業者が捕り立ての魚介類を次から次にトラックで運びいれます。

タイラギ、コノシロ、アナジャコ、アサリ、ハマグリ、ヒラメ、アナゴ、ヒラ、イサキ、ボラ、スズキ、タチウオ、サヨリ、コウイカ、マテガイ、テナガダコ、ワタリガニ、ガラガブ、チリメンジャコなどが、ところ狭しと並びます。養殖ものはブリ、タイ、エビなど、全体からみれば少数です。数の少ないところで、ゴチ、クツゾコ、アカガイがありました。最近はタイラギが増え、今年はアサリが少ないと聞いていましたが、今日の市場でも、そのことが伺えます

Photo_2 Photo_3 Photo_4

Photo_5 いよいよセリの開始です、聞きとれないセリ人の掛け声で、次々に競り落とされていきます。この日(4月17日土曜日)買い付けにきていたのは、41名。思ったより少ないのですが、最近は小売店が減ったため、大手のスーパーや、鮮魚店が多いとのことですが、仲買人はいないそうです。7時ごろに始まったセリは、漁業者ごとに並べられたスペースをセリ人が移動しながら行われていきます。Photo_6 この日は土曜日で、翌日が日曜日で休みのためか、「強気でいきよんな~」と。いつもより少し高めだったようです。

Photo_8 Photo_9 Photo_10 Photo_11 HirameKonosiro  搬入された不知火海の幸をこの目で確かめられて、一安心した朝でした。

fish八代鮮魚商組合理事長さんのお話(朝日新聞平成21年5月26日掲載から)

―八代海で水揚げされる魚介類の供給拠点だった市場が「八代共同魚市場」として正式に復活して3カ月。手応えは

4月の地物の取扱量は昨年同時期の暫定市場と比べて3%増えています。まずまずの船出にほっとしています。現在はアサリやハマグリなどの生鮮魚介類の競りが中心。八代のうまい魚をPRしつつ、これからは地物に加え、アジやサバなどの県外産の青モノなども段階的に扱っていきたい。

――どう増やすのですか

全国チェーンのスーパーとも契約を結んでいます。やはり店頭に地元の魚介類も必要なのでしょう。購買力のある量販店がもっと競りに参加するようになれば、市場の取引価格の下げ止まりと底上げにつながり、その分、カジキやマグロといった他産地の市場からの「転送もの」も、もっと取り寄せることができる。地元の鮮魚店はわざわざ熊本市の市場に買い付けに出向かなくてもよくなり、それで初めて正常な市場になったといえると思います。

―新市場の運営は八代鮮魚商協同組合です。市場から魚を買う立場の魚屋さんが直接運営するのは珍しいですね

鏡町漁協も協力し、八代漁協が市場開設者となり、八代鮮魚商協同組合が卸売り業務を委託されています。昨年2月に「八代魚市場」が突然破産し、緊急避難的な措置として県や破産管財人の弁護士らに掛け合い、そのまま施設を借りて地物に絞った競りを自主的に続けさせてもらいました。競りに関しては我々は素人。かつての経験者に頼んで引き受けてもらい、何とか休業状態を回避しました。

―新市場は八代漁協の倉庫を改装した施設で、八代港にも隣接していて地の利がありそうですね。現在の様子は

荷受けしたスズキなどの高級魚は絞めるだけでなく、夕方まで硬直させないよう、神経を抜いて張りを保たせたまま市場へ出します。トラックへの積み下ろし作業もこちらで引き受けています。これらの作業は鮮魚商組合員の41人が6班に分かれて日替わりで担当し、競りにも参加します。従業員が少ない分、市場存続のためみんな懸命です。

―どう盛り上げますか

仲卸業者がいない分、漁師と魚屋が互いの気心を理解し合えるようになりました。直接要望を言える雰囲気になったのが一番の効果。市民への市場のお披露目も兼ね、秋ごろからは野菜農家と一緒になって地産地消の朝市も開く予定です。市民の食卓を守る誇りと夢を、地元の水産関係者に持たせたい。

|

« 決壊した板木ダムは今 | トップページ | 五木村のお店紹介ー「はなみずき」 »

不知火海」カテゴリの記事