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2010年4月 9日 (金)

アメリカのダム撤去情報(4)-エルワダム(その1)

scorpiusエルワダム撤去

エルワダムは、約72kmと短いエルワ川の中にある二つの巨大ダムの一つで、河口から約7kmぐらいの位置にあります。荒瀬ダムよりやや大きい、高さ33mのダムです。この上流には更に大きな高さ64mのグラインズキャニオンダムがあります。この二つのダム撤去が2012年から始めまりますが、この撤去事業はアメリカの過去のダム撤去でも大きなものになると言われています。

Elwha_dam_imagesアメリカのダム撤去の事情は、日本とかなり異なりますが、発電目的のエルワダムはその規模だけでなく、ダムが建設されて以来、そこに生息していたサケやマスの90%以上が減少し、地元で生活してきたクララム族と国立公園局が、自然と魚の回復のために運動してきた結果撤去が実現に至った背景など、荒瀬ダムにも通じるものがあります。

荒瀬ダムとほぼ同時期に撤去予定のこのダムの撤去に注目しているところです。

そのエルワダム撤去の撤去手順が動画で紹介されています。http://www.youtube.com/watch?v=dKGlt00PVzE

scorpiusエルワダム及びグラインズキャニオンダムに関する最新ニュース

今月4月8日は、その二つのダムの撤去費用に関する報道がありました。正確な訳ではないかもしれませんが、その内容を紹介します。爆破という手段がとれるアメリカの撤去費用と荒瀬ダムを比較することは難しいにしても、爆破によらない他のダムもアメリカの方がかなり安いようです。

◆始動、エルワダム撤去 the news tribune(2010年4月8日)

オリンピック国立公園は、エルワ川の2つのダム撤去努力のため、次の大きな段階に入りました。

国立公園当局はエルワダムとグラインズのキャニオンダムの撤去のための提案をしています。「ちょうど1週間前、ポートアンジェレス水処理場とエルワ水施設(どちらもエルワ川復元のための主要な標石)の完成を祝福しました」

「ダム撤去のための入札提案において、私達は、エルワ川を解放し、その水域に数十万匹の魚を回復する過程に関する、また別の目標の到達に達しました。」とカレン・ガスティン長官は準備されていた声明文の中で伝えています。

公園は、422日の週の間に、計画に関して関心がある業者と会議を開催する計画をしています。

受注工事は、高さ108フィート(約33m)のエルワダムと210フィート(約64m)のグラインズキャニオンダムの撤去という、国家の最も大きなダム撤去になると推定されます。二つのダムの撤去費用は4000万ドル(約37億)から6000万ドル(約56億円)と見積もられています。

このダム撤去により、太平洋産のサケやニジマス、および遡河性のカットスロートトラウトやブルトラウトなど5つの種がすべて、もう一度70マイル以上の上流に上ることが可能になると思われます。

魚が100年ぶりに戻ってくることによって、24万エーカーの流域に生きた栄養分が届き、昆虫からアメリカクロクマに至る生態系全体を回復させるだろうと、報道されています。

鮭が戻り川が復元されることによって、エルワ川沿いに居住し、エルワ川の回復に最初から努力してきたクララム族の文化もまた生き返ると思われます。

======ここまで(慨訳:つる詳子)

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