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2010年3月 9日 (火)

荒瀬ダム撤去凍結から現在までの報告

3月7日に開催された社民党の「ダムによらない治水対策九州ブロック連絡会議」の発足会では、県内のダム問題を抱える現場からの報告がありました。その中で、荒瀬ダムについては、旧坂本村長の木村征男さんが、蒲島知事が撤去凍結表明されてから、現在までの状況を話されています。地元坂本村住民の活動とこの間の政治的な変化を背景とした国交省、企業局の対応などについて、簡潔に要点だけを報告されていますので、紹介します。

sagittarius木村元坂本村村長さんの報告

 蒲島知事が存続確定する前、坂本村の最後の村長をしていた関係上、先頭に立てと言われ、1年半、行動することが結果につながると私の信念のもとやってきた。

 就任後2カ月もたたない蒲島知事が、一昨年の64日、公の約束で進めてきた荒瀬ダム撤去を凍結するという発言をされた。それまで、7年後の撤去に向けて5年経過した時。私たちは何の疑いもなく撤去へと進められていくものと思っていた。驚きと不満があっという間に広がった。更にその年の1121日県議会において、財政面を理由に発電事業を継続すると表明した。

 潮谷前知事が、地元からの要望を受けて、庁内でも十分検討されて、撤去という決断され、県議会でも決議された公の約束を、まさか、こう簡単に破られていいのかと強い怒りを感じた。20年64日の凍結表明後、地元や多くの支援者が、撤去に向けて行動を起こし今に繋がっている。ただ、途中行動がしぼんだ時もあったが、追い風も吹いた。

 最初は昨年の4月に八代市に福島市長が誕生したこと。県議時代から荒瀬ダム撤去に向けて行動をされ、市長就任後も一貫して、撤去実現のため行動されている。更に去年行われた地方選挙により、政権交代が実現した。また、中島隆利氏(元八代市長)が衆議院にも当選した。もう一つ、撤去を求める議員連盟が発足した。初めは地元八代市議会から始まり、今は64名の議員の参加で、県全体に広がっている。活動として、知事への申し入れ、そして大臣への要望など行ってきた。

 議員連盟の活動として行われた114日の前原大臣への要望行動が大きな動きに繋がっている。大臣から説明として、「荒瀬ダムの水利権については、単純更新ではない。新規である」「財政についても、今の政権で検討されている社会資本整備総合交付金を活用したらと、県の方へ具体的に投げかけている」という説明があった。私たちにはうれしい内容だった。このことが、24日知事が撤去を転換表明することにつながったと思っている。知事はいつも、「法律にはグレーゾーンがある」と言っている。どちらにでも解釈できると見ていたと思う。政権交代になり、そうはならなかったのではないか。

 これまでの継続から一転して、知事は24日撤去方針を表明したが、地元に知事が来て直接説明すべきという声が強くあり、先月20日、地元説明会があった。3回ほど住民の前でお詫びをされたが、2年後の撤去するので、その間発電事業を継続するという姿勢は全く崩さなかった。その後、24日に県は水利使用に関する許可申請を行った。それも、前提条件となる、いわゆる「損失を受けるもの」-今国交省は球磨川漁協だけと言っているが、その漁協からも同意がない中での申請であった。国交省九地整は28日に、荒瀬ダムの水利使用について助言を頂く有識者の会を開いた。5名の委員で構成されている。それぞれ、自分の知識に基づいて発言はされるけれど、単発で終わり、議論とならず、ただ聴くだけの会議だったことは残念な会議だと思った。これからも何回か行われていくと思う。

 今月の4日、八代国道事務所と九地整へ要望書と意見書を届けた。その中で、「損失を受ける者」は球磨川漁協だけではないと主張した。これまで浸水被害、振動被害を50数年間受け続けてきた地元の人たちも、法律で言われている損失を受ける対象者であるのではないか。従って、球磨川漁協だけでなく、そういう被害を受けた人たちも有識者の会等で意見を聞くべきではないかと申し入れている。しかし、このことについては回答はない。今のところ、被害状況について文章にまとめて会議に報告するというところまではいっている。 

 ただ、その中でこれまで知事が2年後から撤去を始めるという言葉に、2回も公の約束を破ることはできないだろうと思いながらも、地元としては不信感の声が強い。4日の九地整との話し合いの中で、28日の有識者の会議の内容を受けて、国の方から20数項目質問を県に出している」と。その一つに「2年間立てば、撤去が必ず行われるのか、できるのか」「そのため撤去に向けて何を準備していくのか」、更に「財政負担について説明を求めている」「必ず撤去するという担保を出さないと国は許可をしない。それによって判断をしていく」という説明を受けている。政権交代を受けての国交省の話でもあるが、気持ち的には和らいで帰ってきた。 

 県から、河川法第23条の発電事業、第24条の土地の占用について、今二つセットで申請がされているが、国交省の方から216日に、「同意がない状況では時間がかかる。荒瀬ダムは331日で切れるので、不法工作物になるので、それを回避するためにも同意を必要としない24条だけでも切り離して申請するように、助言をしている」ということだった。しかし、通常の申請をしたし、その返事もくれないという話も出た。そのことに対して、県もここ23日、24条の申請をするという動きがある。荒瀬ダムが41日から違法工作物になることは、たぶん、国も県も望まないことだと思う。国が出している20数項目の質問に、県が責任ある回答をどのくらい出しているのか、また時間的な問題もある。

 ただ、お互いに違法工作物ということについてできるだけ避けるようにするために、国・県も考えているのではないかと思うと、24条の許可が下りると、2年間の申請をしているので、そうなる可能性が強い。

 国も撤去の確実性を求めている。私たちもこれからどういう風な運動をしていくのか、今しばらく様子を見ているが、いろんな行動をしていかなければならないのかなと思う。関係者の動きが目まぐるしく、動いている。地元の新聞等をみると毎日のように報道されえいる。私たちもこれまで多くの方たちのご指導・ご支援を頂きながら撤去を求めて行動してきましたが、これからも更に撤去が実現するまで頑張っていきたいと思うので、どうぞよろしくお願いしたい。

以上。

今日の天気:rain

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