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2010年2月

2010年2月27日 (土)

ダムが出来てからひどくなった水害(2)

house坂本町中津道の水害

Photo 八代市から219号線を人吉方面に走ると、荒瀬ダムを通り過ぎて6kmぐらいのところで、道路が球磨川の左岸から右岸に変わるところに鎌瀬橋があります。橋を渡ったところが中津道地区です。荒瀬ダム建設当時は30戸ほどの人家がありましたが、たまに増水しても、ここも床下浸水程度で、被害がでることはありませんでした。しかし、ダム建設後はやはり急激な水位上昇と大量の土砂堆積により甚大な被害を被るようになりました。洪水時には、荒瀬ダムのバックウォーターと瀬戸石ダムの放流によって、水位が急激に上昇するようになったと地区の人たちはいいます。

houseダムが出来ても、水はこないと説明された

ダム建設前の地元への説明会においても、ダムが建設されても満水時の満水位線より1m上を危険水位といい、そこまでしか水はこないと説明されました。ダムをつくるのに、県が嘘をつくわけはないと誰も信じて疑うことはありませんでした。

当時、川の近くに住む家はどこも石垣で土台を組み、その上に家を建てていましたが、石垣は隙間が多いため、浸水すると隙間に水が入り崩れやすくなるために、石垣の下1mぐらいは、コンクリートで固めて、水の浸入を防いでいました。P1050216s コンクリートの上まで(上記写真の赤線)が危険水位で、そこまでしか、水はこないと説明されていたのです。中津道集落の一番下にあった家は、写真の茶色線の高さに建っていました。その隣の、もう一段高いところに、Hさんの生家があり、その当時で築80年だったと言います。

昭和38年は、そのHさんの生家の軒下まで、水位が上昇したのです。

house後で分かった、ダムの計画高水位

Photo_2  現在の中津道集落を対岸から見たところです(赤線は国道219号線)。左から2番目にHさんの生家がありました(茶色の□枠)です。危険水位は石垣の下(青い線)と説明されていたのに、昭和38年は軒下まで水がきました。家財道具一切を失いました。しかし、県は「自分たちは危険水位は石垣の下と考えているので、それ以上に水がきたのなら、それは自然災害だ」という説明を繰り返すばかりでした。

S40_2 昭和40年当時の中津道集落です(茶色線は国道の高さ)。昭和38年の水害後、企業局と補償をめぐってやり取りが始まりますが、その中で分かったことがあります。ダムができた場合の計画洪水位は、写真の黄色の線の高さで設定してあったということです。つまり、洪水時にはこの高さまで水位が上昇することを前提に設計されていたのです。中津道地区の人たちが、「県にだまされた」と思うのは当然のことでした。

中津道の方たちは、最初から「ここまでは水が来ますので、移転して下さい」と説明されたのならまだ分かるが、「水は来ません」と説明されたのに、水が来て甚大な被害を被るようになったことに対して、誠意をもって対処してこなかった企業局へ憤りを感じているのです。

その後、Hさんの実家も自己資金で、一段高いところに家を移しましたが、そこも昭和57年の水害では、胸の高さまで水位が上昇しました。坂本町や球磨川沿川に甚大な被害を与えたこの昭和57年の水害を機に、道路や宅地の嵩上げ事業が県や国の事業として、本格的に始まります。

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2010年2月26日 (金)

荒瀬ダムの水利使用に関する「有識者の会」開催

cancer2月28日、有識者の会開催

2月24日、藤本発電所の水利権申請が行われたばかりですが、本日、28日に「藤本発電所(荒瀬ダム)の水利使用について助言をいただく有識者の会」が開催されることが発表されました。

メンバーもすでに決定されていることから、24日の申請時にはすでにこの会議の開催はセッティングされていたのは間違いないと思います。2年間の水利権申請にお墨付きを与えるための機関とならないことを願っています。

▼記者発表資料

第1回「藤本発電所の水利使用について助言を頂く有識者の会」開催について

▼趣旨

平成22年2月24日、熊本県から国土交通省九州地方整備局に対し、一級河川球磨川における藤本発電所(荒瀬ダム)の水利使用に関する河川法第23条及び第24条の申請がなされたところである(以下「本申請」という)。
藤本発電所(荒瀬ダム)の水利使用に関する現在の河川法第23条及び第24条の許可については、水利使用規則に許可期限が到来したときに効力を失うとの条項があることから平成22年3月31日の許可期限の到来をもって失効するものとなっている。このため、本申請の審査に当たっては、新たな水利使用許可の可否を審査することとなるが、提出のあった申請書には、河川法第38条に規定する関係河川使用者で当該水利使用を行うことについて同意をしない者がいる旨記載されている。

これを受けて、当整備局としては、当該水利使用による損失に係る検討・判断等、河川法第38条以降の水利調整の規定に則った対応を行うこととしているが、これらの検討・判断等を河川管理者である当整備局が的確に行うため、専門的な見地に立って公平な立場からの助言を頂くことを目的とした「藤本発電所(荒瀬ダム)の水利使用について助言を頂く有識者の会」を開催するものである。

▼有識者の会委員

岡本 博志   北九州市立大学法学部教授

楠田 哲也   北九州市立大学国際環境工学部教授

林  優     弁護士(福岡県弁護士会所属)

原  武史    全国水産技術者協会理事長

松井 誠一    (元)九州大学大学院教授 

▼実施要領

開催日:平成22年2月28日(日曜日)

開催時間:14:00~16:00(2時間)

開催場所:福岡第2総合庁舎2階 供用第2・第3会議室

一般傍聴:可。定員12名。

※その他、詳細は記者発表資料参照

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過去の清算なき、水利権の申請

taurus荒瀬ダムの一番の弊害

荒瀬ダム建設前は、旧坂本村は大水時の出水の状況は違うにしても、各家庭は出水時を考えて家の建て方にも工夫がありました。浸水常襲地の家はどこも浸水を前提にして、2階建てにしたり、床や柱には水に強い建材を選び、水位の上昇に合わせて対処できるように、工夫を凝らすことで先祖代々、水の傍に暮らしてきました。水が来ることを前提に家を建て、水害を理由に引っ越す人もなく、一番浸水頻度が高かった坂本地区も家は増える一方で、村一番の繁華街となり、旅館も集まっていました。

他の家が浸水しそうになると、その心配がない家の人たちは、いつでも家財道具などの移動の手伝いなどができるようにスタンバイしていました。水とのつながりは人々のつながりでもあったのです。

最も大きな荒瀬ダムの罪は、助け合って暮らしていた地域の人々の絆をも断ち切ってきたことです。ダム建設後の水害被害について、当初は企業局は自然災害であるとして補償金を出そうとしませんでしたが、徐々にダムの影響を認めざるを得なくなり、少しづつ対応するようになります。しかし、補償を待てずに、自己資金で新築、嵩上げ、移転をしたりする人がいる一方、立て直す資金もなく村を離れる人、新築したばかりの家を失い、その借金だけを返すだけの人生に終わる人がいます。

また、昭和57年の水害を機に認められた背水線補償により、嵩上げや移転・新築に対し補償が出るようになり、全額支給で対策が講じられたところもあります。対策事業も終わったところ、まだ終わらないところがあります。先に自費で嵩上げしたところでは、その費用の補助が出されていなかったり、対応に大変なばらつきがありました。

taurus未補償の人たちに対して協議の場をつくるべき

説明会がある度に、企業局にこうした補償の在り方について、企業局に強い意見を言うHさんも、補償の問題で置き去りにされた地区のお一人です。Hさんの地区ももう高齢者ばかりで、若いHさんはいつも地区を代表して意見を言います。しかし、そういうHさんに対して、「ここはそういう場所ではない。個別の案件は別途話し合いをしてくれ」と会場から声が飛ぶことがあります。当然です。しかし、企業局はそういう当然の場所を設けてこなかったら、Hさんはこういう説明会を利用して、企業局に質問するしかないのです。

ダムが撤去される解決できる多くの問題があります。しかし、一方で撤去=すべての問題解決ではなく、撤去されても、企業局にこういう問題を解決する責任がなくなるわけではありません。

taurus前例のない同意なしの水利権申請を認めるべきではない

ダムサイトの振動被害に対しても同様です。ダム建設以来ダムサイトの集落では屋根瓦が落ちる、壁のモルタルが落ちる、壁にひびが入る。何より家中の建具の振動音で眠れない日々が続くなどの被害がでましたが、いまだに車が通る際の風圧で起こるとして、放流被害を認めないどころか、補償金一つでません。みんな自己資金で振動に強い家づくりを進めてきました。そういうことが、企業局への不信感となって、撤去前提とは言え、2年間の水利権申請を認める気にはなれないのです。

更に海面漁協に対しても、海までは影響がないとして、今回も同意を得る努力すらしていません。

こういった補償のあり方を含めた過去の被害の検証や清算をきちんと行わずに、新たに水利権を申請しようとすることに大きな問題があります。

現在、不法取水により水利権を失った信濃川発電所についは、事業者のJR東日本は過去の清算を含め、漁業者や地元住民を交え、協議を重ねています。地元の同意なくして水利権が申請された事例は過去前例がなく、金子前大臣もこのJR東日本の水利権申請について、2009年3月13日の記者会見において、「再申請を頂く必要がある訳ですけれども、水利権者との調整が前提になっています」として、JR東日本に対し、地元の理解を得るのが先決であることを明確にしています。前原国交大臣も、荒瀬ダムの水利権申請を悪しき事例としないよう、賢明に対処してほしいものです。

今日の天気:cloudrain

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2010年2月24日 (水)

地元の同意なしの水利権申請

angry熊本県、突然の水利権申請

今日の午後1時に、蒲島知事は国土交通省八代国道工事事務所に水利権の申請書を提出しました

この申請については、地元の同意も球磨川漁協の同意も得られていません。また、海面漁協である八代漁協は球磨川の中に漁業権をもっているにも関わらず、同意を得る努力もしていません。

関係者の同意がない水利権申請は過去例がないということです。許可権者である国交大臣も申請書の差し戻しなど含め賢明な対応をしたほしいものです。

▼共同通信

熊本、荒瀬ダムの水利権延長申請 撤去に向け地元合意なく

熊日新聞「県営荒瀬ダムの水利権延長を申請」

angry申請に対する地元住民、議員連盟、市民団体の抗議

昨日の23日、坂本町の2団体と議員連盟は蒲島知事に直接会い、水利権の申請の断念を求めて要望書を提出しています。撤去を約束する知事に、地元住民からは「本当に信じていいんですね」という確認を行うなど、住民にも知事をもう一度信じたいという気持ちがあったようです。しかし、その時に次の日に水利権の申請手続きを行うことが決まっているとは誰も思わなかったようです。また、知事に裏切られたという思いは当然のものです。

市民団体からは早速、水利権申請に対する抗議文が出されました。また、坂本の2団体及び議員連盟は合同の緊急声明文を提出し、記者会見を行いました。220224s

angry水利権申請に対する住民の意見

今日、3時30分から行われた緊急の記者会見においては、またもや唐突な水利権申請に対して、抗議の声が相次ぎました。

◎2月3日に撤去に方針転換をして、今日は23日。同意を得るための努力をしたと言えないのに、同意なしに申請しようとするのは、また自分たちの勝手な解釈で進めようとしている。

◎残念に思う。関係者に丁寧に説明をして理解を得る努力をすると言ってしてない。海への影響があることも分かっているのに、海面漁協への説明努力もない。坂本に対しての帳面消しをしたにすぎないのに、知事は存続のための最後の手段に出たと思う。

◎撤去と決めたのなら、6月4日に戻って、話を始めるべきと思う。

◎2年後の撤去を確実にするために、どういう担保が必要かと考えると、発電をしないことが最大の担保と思う。昨日、知事は「信じていただけないなら、私の不徳の致すところ」と言ったが、まさにその通り。

◎私たちは3月31日で水利権の許可は終わりと言ってきた。しかし、2~3日前の新聞を見ても理解していないように思う。「国が許可しなかった」「漁協が同意しなかった」と開き直りをしているように思う。

◎(昨日、信じていいですよね。2回目はないですよねと念を押したことに対し)昨日の今日がこれでは、これが知事の手法かと腹が立つ。

◎2年間の発電について、検証もしてない、利益も分からないで、水利権申請するのが何故か分からない。

◎荒瀬ダム建設は7つの大罪をもたらした。撤去を決定したのはその罪を認めたのではと思った。今回、最後の手段に出たと思うと、腹立たしい。

・・・・・蒲島知事はよく「地元の苦悩が分かった」というような発言をされますが、それならばどうしてこれ程に地元民の気持ちを逆なでするような言動ができるのか、もう誰も理解できないかも知れません。住民が歩み寄りたいと思っていても、知事は地元の意見はただただ聞きおく程度のものでしかないことを県民に示して、2年間の発電継続を更に困難にする以外、何のメリットがあるのか本当に不可解です。

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2010年2月22日 (月)

本の紹介>「脱ダムのゆくえー川辺川ダムは問う」他

熊日新聞で連載されていた「川辺川ダムは問う」が本になりました。他のダム問題を取り上げた書籍も合わせて、一気に紹介します。随時、追加していきますので、カテゴリーからご確認下さい。

★「脱ダムのゆくえ」 川辺川ダムは問う 熊日新聞社

「脱ダム」のゆくえ  川辺川ダムは問う Book 「脱ダム」のゆくえ 川辺川ダムは問う

著者:熊本日日新聞社取材班
販売元:角川学芸出版
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★「ダム撤去」 ハインツ・センター

ダム撤去 Book ダム撤去

著者:科学・経済・環境のためのハインツセンター,青山 己織
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

★「川辺川ダムはいらない」宝を守る公共事業へ 

川辺川ダムはいらないー「宝」を守る公共事業へ Book 川辺川ダムはいらないー「宝」を守る公共事業へ

著者:高橋 ユリカ
販売元:岩波書店
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★「緑のダム―森林・河川・水環境・防災」

緑のダム―森林・河川・水循環・防災 Book 緑のダム―森林・河川・水循環・防災

販売元:築地書館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

★「八ッ場ダム」に振り回された57年

新版 八ッ場ダム 計画に振り回された57年 Book 新版 八ッ場ダム 計画に振り回された57年

著者:鈴木 郁子
販売元:明石書店
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★どうしてもダムなんですか? 淀川流域委員会

どうしてもダムなんですか?   淀川流域委員会奮闘記 Book どうしてもダムなんですか? 淀川流域委員会奮闘記

著者:古谷 桂信
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

★「多目的ダム」はなぜつくられるのか

「多目的ダム」はなぜ作られるのか―静岡県「太田川ダム」に見る、そのカラクリ Book 「多目的ダム」はなぜ作られるのか―静岡県「太田川ダム」に見る、そのカラクリ

著者:山本 寛
販売元:工学社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

★八ッ場ダムは止まるか

八ッ場ダムは止まるか―首都圏最後の巨大ダム計画 (岩波ブックレット) Book 八ッ場ダムは止まるか―首都圏最後の巨大ダム計画 (岩波ブックレット)

販売元:岩波書店
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ダムのはなし Book ダムのはなし

著者:竹林 征三
販売元:技報堂出版
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ダムはいらない! 新・日本の川を旅する Book ダムはいらない! 新・日本の川を旅する

著者:野田 知佑
販売元:小学館
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“緑のダム”の保続―日本の森林を憂う Book “緑のダム”の保続―日本の森林を憂う

著者:藤原 信
販売元:緑風出版
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鮭はダムに殺された―二風谷ダムとユーラップ川からの警鐘 Book 鮭はダムに殺された―二風谷ダムとユーラップ川からの警鐘

著者:稗田 一俊
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ダム撤去への道―川に自由を。未来の子どもたちに“緑のダム”を手渡そう。 Book ダム撤去への道―川に自由を。未来の子どもたちに“緑のダム”を手渡そう。

著者:天野 礼子,五十嵐 敬喜
販売元:東京書籍
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海はだれのものか―埋立・ダム・原発と漁業権 Book 海はだれのものか―埋立・ダム・原発と漁業権

著者:熊本 一規
販売元:日本評論社
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三峡ダムと住民移転問題―一〇〇万人以上の住民を立ち退かせることができるのか? Book 三峡ダムと住民移転問題―一〇〇万人以上の住民を立ち退かせることができるのか?

著者:鷲見 一夫,胡 〓〓
販売元:明窓出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

新版 ダムはいらない―球磨川・川辺川の清流を守れ Book 新版 ダムはいらない―球磨川・川辺川の清流を守れ

販売元:花伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

おばあちゃん泣いて笑ってシャッターをきる―戦争とダムにうばわれた70年の人生 (ポプラ社いきいきノンフィクション) おばあちゃん泣いて笑ってシャッターをきる―戦争とダムにうばわれた70年の人生 (ポプラ社いきいきノンフィクション)

著者:楠山 忠之
販売元:ポプラ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

それでも八ッ場ダムはつくってはいけない Book それでも八ッ場ダムはつくってはいけない

著者:宮原田 綾香
販売元:芙蓉書房出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ダム建設をめぐる環境運動と地域再生―対立と協働のダイナミズム Book ダム建設をめぐる環境運動と地域再生―対立と協働のダイナミズム

著者:帯谷 博明
販売元:昭和堂
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徳山ダム導水路はいらない! Book 徳山ダム導水路はいらない!

著者:近藤 ゆり子
販売元:風媒社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「大芦川緑のダム」宣言―かけがえのない山川を守るために (ずいそうしゃブックレット) Book 「大芦川緑のダム」宣言―かけがえのない山川を守るために (ずいそうしゃブックレット)

販売元:随想舎
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私の故郷はダムの底 Book 私の故郷はダムの底

著者:井上 幸子
販売元:新風舎
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脱ダムから緑の国へ Book 脱ダムから緑の国へ

著者:藤田 恵
販売元:緑風出版
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沈黙の川―ダムと人権・環境問題 Book 沈黙の川―ダムと人権・環境問題

著者:パトリック マッカリー
販売元:築地書館
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まちづくりの危機と公務技術―欠陥ダム・耐震偽装・荒廃する公共事業―(COPA BOOKS/自治体議会政策学会叢書) (COPA BOOKS―自治体議会政策学会叢書) Book まちづくりの危機と公務技術―欠陥ダム・耐震偽装・荒廃する公共事業―(COPA BOOKS/自治体議会政策学会叢書) (COPA BOOKS―自治体議会政策学会叢書)

著者:片寄 俊秀,中川 学
販売元:イマジン出版
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川辺川ダムはいらん!〈PART2〉ダムがもたらす環境破壊 Book 川辺川ダムはいらん!〈PART2〉ダムがもたらす環境破壊

販売元:花伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ダムは水害をひきおこす―球磨川・川辺川の水害被害者は語る Book ダムは水害をひきおこす―球磨川・川辺川の水害被害者は語る

販売元:花伝社
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Book ダムに沈んだ村

著者:江森 陽弘
販売元:近代文芸社
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水になった村 Book 水になった村

著者:大西暢夫
販売元:情報センター出版局
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村とダム―水没する秩父の暮らし Book 村とダム―水没する秩父の暮らし

著者:山口 美智子
販売元:すずさわ書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

長野の「脱ダム」、なぜ? Book 長野の「脱ダム」、なぜ?

著者:保屋野 初子
販売元:築地書館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

Book

郷土誌におい―ダムに沈む沙流川のほとりにて

著者:荷負自治会郷土誌編集委員会
販売元:北海道出版企画センター
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なぜダムはいらないのか Book なぜダムはいらないのか

著者:藤原 信
販売元:緑風出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

Book 島崎稔・美代子著作集〈第7巻〉ダム建設と地域社会―調査報告2

著者:島崎 稔,島崎 美代子,皆川 勇一
販売元:礼文出版
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アメリカはなぜダム開発をやめたのか Book アメリカはなぜダム開発をやめたのか

販売元:築地書館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

山もりのババたち―脱ダム村の贈り物 山もりのババたち―脱ダム村の贈り物

著者:玄番 真紀子
販売元:凱風社
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生命の川

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2010年2月21日 (日)

蒲島知事が坂本町住民に説明

basketball水利権の申請に理解を求めるも・・・

2月20日午後7時、坂本町の中津道社会福祉センターで開催された荒瀬ダム説明会に、蒲島知事が出席、今後の撤去方針について説明、撤去を前提とした2年間の発電延長に対する理解を求めました。平成14年に撤去が決定していた荒瀬ダム撤去を一転存続、そして再び撤去へと転じ、地域住民を翻弄させたことに対し、蒲島知事は謝罪したものの、会場から多く出される不満の声にも、発電存続の姿勢を崩そうとしない態度が、住民に受け入れられたとは思えません。説明会の終了まで、会場からは「水利権の申請はするな」「すぐ、撤去して」の声があちこちから出されました。200220

住民や、漁協の同意なしに水利権が申請された事例はないにも関わらず、蒲島知事が強引に水利権の申請を行おうとすれば、更に住民を混乱の中に陥れていく可能性もあります。

basketball会場から出された多くの不満・意見

撤去への方向転換は住民の悲願であり、待ちに待ったうれしいことであるにも関わらず、これ程住民が怒るのには理由があります。一番の問題は蒲島知事が自分の説明のどこが住民を怒らせているのか、全く理解してないと住民が感じているところにあります。「存続の判断をして良かったこととして、住民の苦しみを知ることができた」「水利権の解釈については、国を相手に裁判をすることも考えた」「その時その時の判断は間違ってなかった」と「自分は間違ってなかった」という態度では、住民の神経を逆なでするばかりで、歩み寄るきっかけも自分で潰しているような印象です。ましてや、最後まで自分は一歩も譲らないという一貫した姿勢ありありでは、意見交換ではなく、一方的な説明会でしかありません。

▼会場から出された意見の紹介です。

200220_2 ○就任2か月にもならない時に、撤去凍結をした。そして、存続を決定、また撤去と言われても信用できない。

○ダム撤去を1丁目1番地として頑張るというが、2年間水利権申請をする意味が分からない。結局、自分の任期中だけでも発電をさせてくれと言っているのではないか。信用できない。

○前原大臣に「だまし討ちにあった」と言われた。前原大臣の判断がおかしいと思っているのか。

○老朽化したダムの中に入れてくれと言ってるが、2年間継続して発電しようというのは矛盾している。

○2年間の水利権申請という知事、企業局に憤りを感じる。更に混乱が深まるだけ。政権交代と水利権の解釈は関係ない。河川法は民主党がつくったものではない。

○河川法は河川管理者は同意を取って申請しなさいということを言っている。同意なき申請は1件もない。知事は、同意がなくても申請すると言っているが、河川法をどのように考えているのか。

○建設時に、企業局に「ダムの満水位より1m上が危険水位で、そこまでしか水はこない」と説明されたが嘘だった。その後も間違った説明ばかりで、対応もしてこなかった。住民の苦しみが分かるというなら、みんなの聞きとりをするなど、過去50年間の検証をするべきだ。

○知事が直接来て説明するべきと思った。しかし、言葉を巧みに使って、何とかしようというのが見えて悲しい。それでは、住民は説得できない。

○申請しても許可はいつ下りるか分からない。知事は2年間のうち何カ月発電できると思っているのか。

○7年前に撤去が決定したが、存続になると撤去費用が膨らんだり、企業局は信用できない。第3者に撤去費用を試算させたらどうか。

○路木ダムは、なかった水害をでっちあげてでも造ろうとしてる。荒瀬ダムの姿勢と矛盾している。

○お金がないというが、路木ダムなど不確実性があるものに予算を付けたり、明らかに赤字である阿蘇の風力発電所を継続するなど、お金の使い方に不信感がある。

○撤去は本当に待ち望んでいたことうれしいこと。知事は撤去は間違いないというが、住民は納得できていない。水利権の申請はしないで、撤去に入ることをお願いしたい。同意を得られないで申請するのには、無理がある。

・・・住民の意見が賛否両論であれば、知事が総合的・客観的に判断して水利権の申請を行うことも可かもしれません。しかし、全く理解を得られないままで水利権の申請を行うのであれば、自分の一存で撤去凍結を決め、存続へまい進した強引なやり方と同じです。合意形成を図って県政を行うことができなければ、民主主義を尊重している知事として評価を得られることは難しいことでしょう。知事には企業局の目線、企業局の財布ではなく、県民の目線、県民の財布で、荒瀬ダムの問題解決を諮ってほしいものです。

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2010年2月17日 (水)

荒瀬ダム説明会 住民納得せず

scorpius企業局の説明に、住民から怒りの声

2月15日午後7時より、県企業局による荒瀬ダムの撤去の方針についての説明会と質疑応答(音声ファイル)がありました。今後の方針について、担当者の「撤去をするために、2年間発電が必要なので、水利権の延長をしたい」という説明に会場から、口ぐちに「認められない」「知事が直接謝罪と説明にくるべき」という声が続きました。マスコミ報道を見ている県内外の皆さまから、「今まで存続に固執していた知事が、撤去へと方向転換したのに、地元はどうして撤去に反対しているのだろう」というご意見をいただきます。地元以外の人たちが、地元が県の撤去方針を受け入れない理由が分かりにくいのは仕方がないにしても、今日の説明会における企業局の発言を聞いていますと、企業局はこれまで何度も直に地元の方々の意見を聞き、またこの2年間どれだけの苦悩を見聞きしてきたはずなのに、全く地元を理解してなかったのだなという思いで唖然とします。会場から何人もの意見が出されましたが、企業局の答は最初から最後まで一緒です。まるで、最初から「今日は誰がどんな意見を出そうとも、最初から決めてきた答えは変えるつもりはない」というように、「撤去に向けて企業局も命をかけてやるので、水利権の延長を認めてほしい」と同じ答えの繰り返しです。それを感じるから、住民は「どう言えば理解してもらえるのか」と声が大きくなっていくのです。P2150170s

また、「知事はどうして自分で説明しにこないのか」という質問に対して、「知事の考えはすでにペーパーで示されています。それで、十分な説明になっています」みたいな回答で納得できるはずがありません。

scorpius住民が納得しない理由・怒る理由

one水利権の解釈について、住民から「水利権の延長という言葉を使うこと自体、水利権が3月31日で失効する」という意味を理解してないのでは?」と問われると、企業局は「国の見解が示されたのでそれに従って進めていく」といい、知事は記者会見において、「考え方の違い」という考え方を示しています。また、「国の見解に従う」と言いながら、説明会でも「国を相手に訴訟をすることも考えたが、訴訟が長引くと問題が長期化する」と、存続を諦めた理由を説明します。未だに、自分たちの考えが正しいということをいいつつ、国の考えに仕方なく従っているという説明をされても、撤去を前提とはいえ、2年間の水利権は認めることはできません。2年後にまた、「許可期限の到来は、更新期限の終了であって、失効ではない」と言わないことが全く保障されないからです。

twoなにより、「水利権は更新できる」という解釈で撤去が決まっていた荒瀬ダムを存続に方針転換した知事と、それを支えた企業局です。そして、「解釈の違い」として裁判まで考えているが仕方なく諦めたという説明している以上、また、撤去が法的にはまた方向転換できると考えていることの証だからです。それでも今回は、前原大臣も国交省も正しい判断を示してくれたので、失効が失効として認められたのです。国も2年後に担当者が代わり、企業局の職員と同じ見解をもつ担当者に変わらないという保証もないのです。

今回決定していた撤去を、解釈一つで存続に変えられることを示したのは他ならぬ知事なのです。住民の不信感はぬぐえるものではないでしょう。

threeまた、2年間の水利権の延長の説明は全く説得力をもちません。それは一つに、2年間の発電でどれだけの撤去費用が増えるのか、荒瀬ダムは本当に利益を出しているのか、根拠をもって説明されたことがないからです。撤去が平成14年に決定してから、5年間撤去に使える内部留保金は全く増えていないからです。きちんとした試算も示されないまま、水利権の申請をするようでは理解を得られることはないでしょう。

four現時点では知事は漁協の同意が得られなくても水利権申請する態度を変えていません。しかし、漁協の同意なく申請された事例は過去全くないことは国交省も認めています。それなのに、強硬に申請しようとするその態度が住民には理解できないのです。

five同意がないまま申請された後の手続きを考えると、前原大臣は「最低5カ月はかかる」と言います。しかし、漁協との補償交渉を含めた協議や、許可の是非を判断するための審査手順を考えると、半年以上かかるかもしれないし、1年以上かかる可能性もあるのです。そうなれば、発電期間は1年以内です。数か月かもしれません。そういうことは十分想定されるのに、2年間の水利権申請にこだわる知事の姿勢が理解できないのです。

sixまた、これまでの説明や行動でもあまりにも矛盾が多すぎました。知事は「老朽化したダム」に荒瀬ダムも加えてほしいといいながら、一方では「まだ使えるのでもったいない」と存続を進めてきました。また、存続の姿勢は崩すことなく、国には撤去の支援をお願いしてきました。住民はこういう矛盾に不信感を募らせてきたのです。

蒲島知事はこれまでのそういった経緯を十分に踏まえて、住民の不信感を取り払おうと思われ、撤去を本心から撤去を決定されたのであれば、住民や漁協の同意を無視してまで、水利権を申請することは諦め、荒瀬ダムの用途廃止届を出す以外にないと思います。そうであれば、住民はこころから知事の決断を受け入れ、撤去への協力を惜しまず、それこそ流域住民総出で、知事と行動をともにしていくことは間違いありません。

scorpius2月20日の説明会では、納得がいく説明を!

「知事が直接住民に説明すべきだ」という多くの意見には答えて、20日再度坂本町で説明会が開催されることになりました。その時に、15日の企業局と同じような説明の繰り返しでは、住民との溝は深くなるばかりです。知事には、これままでの強引な進め方や矛盾した説明については、潔く認め、住民と知事が歩み寄れるきっかけを自らつくってほしいものです。

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2010年2月13日 (土)

坂本町の住民が何故荒瀬ダムの撤去を望むのか

clover坂本地区にお住まいの本田進さんのお話

昨日、熊本市において、川辺川を守る県民の会の主催で、荒瀬ダムに関する学習会がありました。その中で、坂本町の村の中心地区にお住まいの本田進さんが、「坂本町住民は何故、知事がもったいないというダムを壊してほしいと思うのか」ということについて、お話をされました。本田さんは、蒲島知事が存続を決定したとき、昔ひどい被害にあった時よりも、苦しい思いをした」と述べられました。そのHさんのお話の紹介です。Ca3c0116s

clover「一番の浸水地区に家が増えていった」

坂本地区が坂本村の中では一番の繁華街だった。一番水害―水害という言葉はなかったが、浸水の常襲地帯だった。住民はほぼ100%二階建ての家を建てていた。出水した時は、いかに家財道具や建具を早く撤去できるか家の構造の工夫をしていた。常時浸水するにしても、被害を受けるようなものではなかった。水害に遭いながらも人家は増えていった。村の基盤産業である製紙工場もあったので、商売でも賑わっていた。村の経済はこの地域から生まれていた。

当時は村の中に7軒の旅館があり、川の恵み―鮎を中心として営業を行い、それなりにみんな経営を楽しんでいた。

clover「ダムができて、状況が一変した」

昭和30年にダムができて10年間は不思議に水害はなかった(たまたま雨が少なかったことはあとで分かる)。ダムが出来るときに、「ダムをつくることによって浸水はなくなりますよ」と聞いていたので、みんな「ダムができて良かったばい」と思った。それが、昭和40年の水害で一変した。家から道路からヘドロが埋め尽くした。ダムの恐ろしさを知った。それまで、1年に1度ぐらいの大掃除で、家もきれいになってよかったと、水とのかかわりを帰って楽しみにするぐらいであった。だから、家も増えていった。

昭和40年はそれまで経験したことがないぐらいのヘドロがたまった。その状況を見て初めて異常さに気がついた。県に「これは人災だ」と申し入れをしたが、「それは全く違います」「因果関係は分からない」と取り上げなかった。地元の議会や行政も全く反応がなかった。個人個人で悩んでいても仕方がないので常襲地区の二つの町内で「水害から守る会」をつくった。県や地元と話し合ったが、効果はゼロで役に立たなかった。Photo

clover「昭和53年は、さらにひどい水害が起こった」

昭和40年後小さな水害はあったが、10年後の昭和53年にまた大水害が発生し、昭和40年を上回る第被害にあった。その間の10年間にヘドロはさらに蓄積されていたので、40年とは比べ物にならないぐらいだった。昭和40年が50~60センチ、ひどい所で1mだったが、その倍ぐらいのヘドロが流れてきた。それこそ立ち直ることができないぐらいの被害で、特に商売しているところは惨憺たる状況だった。そのための復旧の援助も国からはなかった。同じ年に熊本市も水害があり、1軒あたりの被害は少なくても面積が広いので、国からの支援が下りたが、坂本は被害は酷いが、被害軒数が少ないので救済に結び付かなかった。みんな自分で修復した。

clover「撤去してほしかったが、方法がない」

昭和53年の水害を機に、撤去してもらわないと困るという機運になってきたが、その方法は分からなかった。優れたリーダーもいなかった。「テッキョ、テッキョ」とお経のように訴えるだけであった。そういうところに漁業組合(任意団体)が地元の議会に働きかけをしたが、議会は全体の民意にはなりにくいというので、町全体を巻き込んだものにしていこうということになり、自分たちの守る会と一緒にして、「荒瀬ダムの撤去を実現する会」をつくった。それから県民も巻き込んだ運動になった。それまでには、悶々とした長い歴史があった。

潮谷前知事が「ダムを撤去する」と言ったときは本当に涙を流して喜んだ。それが、蒲島知事になり180度変わり、その時の奈落の底に突き落とされた思いは、水害の時に苦しんだもの以上に苦しいものだった。一日も早く撤去が実現するように、皆さんの知恵を借りて、大きな相手に立ち向かっていきたい。

※坂本町で開催された県の説明会時の、本田さんのお話(平成20年11月9日中津道教育センター)も参考にしてください

本田さんの話は、球磨川の流域でダム建設後の水害常襲地に住む皆さんのお話に共通するものです。みんな「自然が起こす大水は、天気や水の増え方を見て予測ができるので、対策ができるが、人の操作でゲート開閉がされるダムが起こす水害は予測がつかないので、対応ができない」と言われます。ダムがない時は、家を失うことなく、川のすぐ傍で、100年以上にわたって暮らせてきたのに、ダム建設後は頑丈な堤防に川から隔てられて守られて暮らしているようなのに、家も家財道具も失うような水害に変わったということも共通しています。

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2010年2月12日 (金)

企業局の荒瀬ダムの収益に関する試算は目標に過ぎない

eye球磨川漁協、「荒瀬ダムの対応方針対」に対する回答提出

2月10日、企業局は今後の「荒瀬ダムの対応方針」に対して説明を行っていますが、それを受けて本日、球磨川漁協は企業局を訪問、企業局の説明に対する漁協の回答を提出しました。漁協の要望は、「河川法に基づき、ただちに撤去計画を作成し、河川管理者に対し『用途廃止届』を提出し、『工作物除却の許可』の申請をすること」です。この漁協の「回答」及びその時の企業局とのやり取り(音声ファイル)は以下の通りです。

企業局説明「藤本発電所の対応方針について」の回答

回答提出時の企業局とのやり取り (WMA音声ファイル)

eye藤本発電所の収益や純利益の企業局の計算方法

10日に企業局が球磨川漁協を訪問して、「藤本発電所の対応方針を説明しています。Photo

その際に、藤本発電所が生み出す利益や維持管理費、利益はいくらかという質問に対してのメモをいただきました。担当者は以下のように答えています。

理事:朝日では、藤本発電所の収益や利益について「7億円の収益がある」「毎月5~6千万の損失」「毎年3000万の利益がある」というが、本当か。

担当者:発電所が8つある。発電所毎の経費はやってないので、明確に発電所毎の数字は出せない。ただ、だいたい発電目標量(実際の供給量ではない?)が8つの発電所の3分の1なので、経費も3分の1、経費も3分の1、利益も3分の1という考え方で、今対外的に説明させていただいている。

収入は雨の量によって違うが、だいたい21億から22億が発電の収入、売上である。そ3分の1なので、6億とか7億。収益は、昨年の決算は1億1500万の収益があった。平成19年は7600万円。平均すると1億前後なので、荒瀬ダム3分の1なので、3000万ないし、4000万という、そういう説明である。

理事:(平成20年度の決算書の説明をして、荒瀬ダムは収益と維持管理費がとんとんで、人件費もでてない―すなはち、純利益には何も貢献していないことを説明)

担当者:いろいろ、独自の見方で分析されるのは、そういう考え方もあると思う。我々としては、個別の発電所毎の収支は出してないということの中で、発電の収益は計算上は、目標電力量と原価、事業報酬の3つの要素が収入の大きな要素。そういう中で発電目標量というのを荒瀬ダムを考えて約3分の1だとしている。理事さんが指摘した(指摘した平成20年度の荒瀬ダム発電が占める割合が)26%というのは、確かに供給電力量で割るとそういうことになると思う。

今、1月から2月にかけて、荒瀬ダムの場合は工事を停止をしているので、供給電力量としては、その分少なくなる。ただ、収益への貢献については、我々の考え方としては、3分の1だという考え方でやっている。なので、収入も3分の1、費用も3分の1、収益も3分の1という考え方で考えている

eye公表している収益や利益は目標にすぎない

つまり、企業局の説明では、実際の供給電力量ではなくて、原価や事業報酬を勘案して、8つの発電所の目標電力量を定め、その中で荒瀬ダムの供給目標量を3分の1と予定しているから、荒瀬ダムの発電による収益も維持管理費も純利益も3分の1になるので、年間の収益は約7億で、純利益は約3000万だというのです。

これでは、実際どのくらい稼いでいるというのではなく、単なる目標値にしかすぎません。そういう数字をもって、知事も企業局も県民に、「荒瀬ダムを撤去すると、これだけの金額を失う」と説明しているのです。

一般の企業において、多くの支店をもつ企業が、それぞれの支店の収入も支出も知らないで利益を生み出していくということがあるでしょうか?

本当に驚いて報告を聞きました。

※荒瀬ダムの収益については以下でも記事にしています。

 荒瀬ダムの発電は利益をもたらしているか

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2010年2月10日 (水)

民意は2年間の水利権申請を認めない

spade八代漁協、坂本町住民、八代市長、水利権の延長認めず・・・・・・住民の総意を知事は受け止めるべき

今日、企業局が球磨川漁協理事会を訪問し、荒瀬ダムの対応方針について説明を行っています。理事会の結論は、2年間の水利権申請は認めないというものです。昨日9日には、八代市長に対しても説明があっていますが、八代市長も「4月から撤去準備を進めるべきだ」との見解を示しています。また、2月3日に坂本町で住民集会があっていますが、出された意見は、「2年待てない」「もう騙されない」というものばかりでした。蒲島知事はこの2年間あまりにも大きな不信感を残してしまったのです。また、存続から撤去へと方針転換を余儀なくなれたのを新政権のせいにばかりする言葉が出てくるのはとても残念です。地元からすれば、新政権が正しい法律の解釈をしてくれたので、撤去の可能性がでてきたのです。知事は、ここは潔くこの2年間混乱を招いたことを認め、撤去の準備に入ってほしいものです。

spade坂本の会報“叫び“にみる住民の総意

会報“叫び”第7号には、2月3日の集会で出された住民の意見や、それを伝える報道記事が掲載されています。住民の強い思いが紙面を通して伝わってきます。Sakebi7

spade八代市長 「4月から着手を

◎「ダムをめぐる県のこれまでの説明には矛盾がいっぱいある」「地元と一緒に粛々と撤去に向かって行動すべき」(TKUテレビ熊本)

◎「地元には不信感がある」「発電せずに4月から撤去準備に入れば住民も納得さきるのでは」(熊日新聞)

◎「私は代替橋の話をするつもりではない」(住民から要望はでていないので)「(協力要請に)簡単に、『ハイ』というわけにはいかない」「撤去で球磨川の清流を戻すためには命がけで努力する」(毎日新聞)

100210035

spade漁協もNO!

今日の午前10時、企業局は球磨川漁協を訪問し、理事会に対し2年間の水利権申請への理解を求めています。撤去費用が28億円不足するので、「少しでも発電をして撤去費用を積み立てたい」「国と協議しながら撤去計画策定したい」「泥土除去作業等に2年間必要」「全国初なので、課題の解決を図りたい」などと説明していますが、理事からは、「もう泥土はかなり取り除かれており、自然流下でいいと思っている」「荒瀬ダムは存続しても、利益はでていないのでは」「知事や企業局の説明は矛盾が多い」などの意見が出されました。

また、水利権の失効することについて、「水利使用規則は最近できたわけではない。これを守らないといけな立場なのにしなかった。その責任はどうとるのか。」「河川法とか規則とかは、民主党とは関係ない」など、強い意見がでています。失効については、「国の見解が厳しい」「水利権は財産。県民の財産を取り上げることになる」「見通しが甘かった」など、的外れな回答に終始していたとのことです。

これに対し、報告を聞いた蒲島知事は、「残念な結果。ぎりぎりまで話し合いを求めすが、時期がくれば水利権の申請をしなければならない」と述べています。

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2010年2月 8日 (月)

荒瀬ダム撤去と代替橋の問題

cherry「ダム撤去へ残された条件整備」代替橋とは

蒲島知事は、荒瀬ダム撤去までに着手すべき条件整備の一つに、代替橋など地域の要望に対して解決することを挙げています。これは、蒲島知事が平成20年6月に撤去凍結をしたときから、「撤去費用(当時)72億円の他に代替橋の建設に28億円かかる」と撤去費用が膨らむ理由にこの代替橋の建設を挙げていました。代替橋の問題とは、今荒瀬ダムの堰堤の上は、橋にもなっており、撤去されることによりなくなるため、その代りに必要だというものです。Photo_2

車の通行も可能なこの橋は現在も地元の人に利用されています。しかし、この代替橋建設の話は、地元からするととても不思議なことです。というのは、地元から撤去の条件として、代替橋の建設が要望された経緯は全くないからです。ですから、平成14年に潮谷前知事が撤去を決定したときにも撤去費用の中には入っていませんし、その前に自民党が提言した撤去のための10の条件の中にも、代替橋は条件として入っていません。蒲島知事になり、突然表にでてきました。蒲島知事が、撤去すればお金がかかる理由として、代替橋の建設費用を持ち出してきたものかとも思われかねません。

しかし、実際はそうではありません。平成14年に撤去の話が出たときは、荒瀬ダムがある坂本町はまだ坂本村でした。その後、八代市と合併し坂本町になりました。荒瀬ダム撤去は坂本村の悲願でしたので、撤去すれば橋がなくなるということは分かっていても、撤去の条件ではありませんでしたので、要望も出されていません。代替橋の話が出たのは、八代市と合併した後、当時の八代市長から出されたもので、その根拠は全く不明です。地元の要望であるかどうかの確認もなく、蒲島知事は代替橋を撤去費用が膨らむと、撤去を否定する理由にしてきたにすぎません。

cherry小さな町に6つも橋がある坂本町

荒瀬ダムが建設された53年前は、まだ旧坂本町には橋が一つもなく、みんな対岸へは渡し船で渡っていました。そこへ荒瀬ダムという橋が出来たのですから村民にとって利便性が大変向上したものだと思います。その橋がなくなるのであれば、本当に大変です。

しかし、その後旧坂本村には次々と橋が建設され、現在荒瀬ダムの他に6つの橋があります。Photo人口10万人の旧八代市内の球磨川本流にも4つの橋しかないのに対し、人口5000人の町に6つの橋があるのです。住民も「下流に行くには、下流の橋を利用すればいいし、上流に行くには上流の橋を利用すればいい」と言われます。確かに荒瀬ダムのすぐそばにいる方たちが対岸に行くための利便性は今より低下します。しかし、ダムサイトに住む人たちは、振動被害で悩まされ、「一刻も早くダム撤去を」という願いが最優先なのです。

「代替橋等の利便性の向上」は、蒲島知事が存続を決めたときから、撤去する場合の「4つの条件」の一つでしたが、今回撤去を決定してからも、「撤去に着手するための4つの条件」の一つに入っているのは、地元から見たら不可解な条件に映ることでしょう。

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2010年2月 6日 (土)

八代の農家が荒瀬ダム撤去にもつ不安

libra撤去のため4つの条件整備の一つ「農業用水の確保」

蒲島知事は今月3日に荒瀬ダム撤去を表明した際に、ダム本体撤去着手までに取り組むべき4つの条件を挙げています。そのうちの3つ目の条件は、「代替橋や農業用水の確保など地域の要望については、八代市や、地元に対しても主体的に解決を図るよう求める」というものです。この代替橋の話は後回しにして、この農業用水について、分かっている事実だけをお伝えしておきます。

農家が荒瀬ダム撤去に不安を抱くのは、平成6年の大渇水の時に荒瀬ダムが水がめとしての機能を果たしたという話が、広く伝わっているからです。確かにこの年は、熊本県内も各地で水不足が生じ、赤くなったスギ林が目立ったことは、農家でない私たちにも記憶に新しいところです。

libra平成9年の渇水被害の状況

この時の大渇水の様子は、「熊本県『平成六年 大渇水の記録』」に詳細にまとめてあります。八代地方に関する部分には、「八代地区の被害は、3.9億円。被害面積は476ha」とあります。県内42町村に渇水対策本部が設置されていますが、八代地区においては、9月1日に鏡町(現在は八代市)に設置されたのみで、旧八代市では設置されていません。同記録には、「球磨川の下流の遥拝堰堰でもかんがい期間を通して流量は足りており、取水制限する必要はなかった」との記録があります。

libra平成6年の大渇水の記録と荒瀬ダムとの関係

平成6年時は大渇水により、ダム湖への流入量が低下し、確かに発電が何度かストップしています。この発電停止の対策としては、「藤本発電所における責任放流以外の貯水など水の効率的運用を行い、発電電力の増加に努めた(同記録)」ようです。つまり、責任放流量以外は発電のためにせっせと貯めるよう努力をしたというのです。発電事業ですから当然な対応かもしれませんが、渇水の時ですから、下流から貯めないで下に流してくれという要望がくるのは当然のことです。

つまり、この時は、ダム湖の水位が下がって発電ができなくなったが、できるだけ発電を再開しようと水を貯めようとしたが、下流から「水を貯めるのを待って、そのまま下流に流してくれと」お願いがきて、それに発電所が答えたということです。つまり、ダムがなかったら、当然上流からくる水が、ダムによって取られることなく、下流まで届いたということです。

このことについては、私はU局長からも直接、「みんな渇水の時水がめになったと言うが、勘違いしてる。こういうことだった」と上記の説明をしてくれました。このころ(撤去決定後)のU局長は、県議会の一般質問においても、「荒瀬ダムは利水の効果はありません」ときっぱり答えてくれていました。

libra平成6年の渇水時は遥拝堰の工業用水を転用して対応した。

また、平成15年に八代の土地改良区から、荒瀬ダム撤去後の安定流量確保のために、早期の川辺川ダム着工を求めた陳情書が出された折に、H元県議の荒瀬ダムの利水目的に聞いて質問をしていますが、担当者は「過去を振り返ってみると、平成6年に1度だけ、遥拝堰で水不足が生じた。その時は、渇水協議会を開いて、農業用水優先という取り決めで、工業用水を調整して問題解決した」と説明していることからも、遥拝堰席の管理体制の範囲内の協議で終わっていることが分かります。遥拝堰の工業用水は余っているのですから、当然の対応です。

libra撤去後の瀬戸石ダムの運用変更については、協議済み

平成17年11月の議会における一般質問で、瀬戸石ダムの運用について問われた担当者は、「遙拝堰等における農業用水等の安定確保についてでございますが、荒瀬ダムは、上流に位置する瀬戸石ダムの放流水を受けとめ、下流への水量変動を調整して放流するもので、1日当たり流入した水量とほぼ同量の水を利用して発電を行う発電専用ダムであり、農業用の利水機能は有しておりません。
 しかし、荒瀬ダムの運用停止後、瀬戸石ダムが現在採用しているピーク発電方式を継続するならば、下流の遙拝堰等からの取水に影響を与える可能性は否定できないと考えます。
 このため、ダムの運用や発電方式の見直しを初め、今後の対応について、電源開発株式会社と具体的な意見交換や協議を重ねております。」と答えています。このことから分かるように、瀬戸石ダムは現在の運用では、安定した水量を下流に流していないことがわかります。撤去後、安定した水量保持のためには、瀬戸石ダムの運用変更は欠かせません。しかし、この問題に関する協議は、こののち運用変更することで合意を得たという報告があったと記憶しています。

libra利水機能もなく、マイナス面ばかりだった荒瀬ダム

結論として、荒瀬ダムが渇水の時の水がめになるというのは、事実的根拠はなく、荒瀬ダムにお願いしたという事実に、農家の皆さんに残る平成6年の大渇水の記憶などが合わさって、荒瀬ダムは水がめという話として広まったもののようです。確かに水量は少なくなって、下流の八の字堰からの取水は困難だったようです。しかし、その時に荒瀬ダムが発電のために水を貯水し始めていたら、もっと大変になっていたでしょう。荒瀬ダムがあって渇水に悩まされなかったという話ではなく渇水はあったのに、また、荒瀬ダムが水の独り占めをやめて、上流からの水をそのまま流したのに、「荒瀬ダムのおかげで助かった」というのは、大渇水の時、何にでも頼りたいという農家の気持ちが根底にあるからです。また、それをうまく利用している人たちがいるのかも知れません。

また、農家にとって確かに水が命であることは否定できません。しかし、もし荒瀬ダムが利水機能を持ったダムだとしても、また、日ごろから水不足に苦しんでいるというわけでもなく平成6年のような何十年に一度の大渇水のために、その何十年を漁業者が漁獲量減少に耐え忍んだり、ダム湖周辺に住む住民が水害被害や振動被害に耐えるべきというのでは、農家の主張もエゴだとも受け取られかねません。

前後の電力不足の時には確かに県民に恩恵をもたらした水力発電ダム。しかし、その間の54年、どれほどの犠牲を地元や漁業者に敷いてきたか、県民に考えてほしいと思うのは、決して地元のエゴではないと思います。

2月3日の蒲島知事発言で、「50年以上も辛抱してきた。球磨川を私たちに返してくれ」という思いがやっと通じたのです。何十年に一度の渇水対策は、また別に考えてほしいものです。

※農家の渇水問題の事実に関するチラシ               荒瀬ダム問題を農家の不安をあおるのに利用しないで

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2010年2月 5日 (金)

荒瀬ダムの今後の対応について

snail要領を得ない、知事の説明ではあるけれど・・・

熊本県のHPに荒瀬ダムの今後の対応に関する知事発言がアップされています。一昨年の11月に存続を決めたおかげで、地元の苦悩が分かったとか、民主党政権が期待を裏切ったおかげで、撤去を選ばざるを得なかったとも聞こえるような言い方は、どこか変だという気もします(民主党がj法的に正しい判断をしたおかげで、存続ができなくなったのですから)が、何はともあれ撤去への方向転換は、地元にとってうれしい決断であることには間違いありません。しかし、今後については、まず目の前に、2年間の水利権申請の是非の問題があります。法的な解釈を含め、勝手な思い込みで突っ走らず、地元とも協議をしながら民主的に合意形成を進めてほしいものです。

snail2年間の水利権申請でも、新たな申請と変わりない。

2年間の水利権更新については、まず国交大臣が「現在の水利権は3月31日で失効し、更に発電を存続させるのであれば、新たに住民等の同意を得て、水利権を申請しなければならない。その場合許可がでるまでに最低5カ月はかかる」旨の見解をはっきりと出しています。蒲島知事はこの見解により、存続を断念したのです。であれば、20年の水利権申請であれ、2年間であれ、新たな水利権申請であることは間違いなく、許可が下りるまで、数か月かかります。もしかしたら、1年以上かかるかもしれません。それから、2年間の発電を行うのであれば、撤去は2年後に始まると言うわけではなく、3年後になるか何年後になるか、誰も約束できないものです。蒲島知事の任期は、後2年3カ月です。蒲島知事や企業局が水利権をきちんと解釈しない限り、「前の知事が約束した撤去の約束は、簡単に反故にできる」ということを今回見せられた県民は、信用することはできないと思います。

snailまずは水利使用廃止届を出すべき。

蒲島知事が2年間必要だとする準備期間は、存続を前提としないとできないものでしょうか。水利権が失効して、例えすぐ「撤去せよ」という命令が出たにしても、撤去計画もなく、環境対策も検証することなしに、撤去工事を4月1日から強いることはまず考えられません。まず、環境モニタリングの計画や撤去工法については、平成15年に撤去が決定してから話し合わせてきたことです。それに、もう少し現在の技術を勘案して、国にも技術的支援をお願いしながら、進めていけばいい話です。ましてや、全国初の事例である大型ダムの撤去について、国が知らぬ顔はできないはずです。

蒲島知事は県の財政は3年(自分の任期中)に立て直すと言っています。その間立て直しながら、具体的な撤去費用の捻出についての計画をたててほしいものです。

snail撤去費用は本当に91億円もかかるのか

撤去費用については、マスコミ報道によると、総額92億円のうち28億が不足するとあります。しかし、PTの報告では、総額92億というのは、すでに支出した分が含まれた金額でのこりは、約71億だったはずです。そうであれば、不足額は約9億です。撤去費用があと72億円かかるとしても、単年度で一気に必要となる72億円ではありません。存続する場合は、24億もする発電機を2機取り替える必要がありますので、一度に必要になる費用です。しかし、撤去する場合の本体部分の撤去費用は約30億です。実際に堤体が撤去になるのは、まだ先の話だと思います。残りの護岸補強工事や土砂除去については、社会資本整備交付金などの活用の可能性もあります。また、土砂除去費用など見積もりの再検討が必要なものもあります。

また、治水対策としての道路や宅地の嵩上げは、撤去・存続の話とは関係なく、もともとは河川管理者である国交省が責任をもともと負うものではなかったかと思います。撤去の話が出る前は、球磨川沿川の嵩上げ費用は国が出していたような気がします。調べてみないと分かりませんが、国に相談できる余地はありそうです。

もともとの計画によっても、本体の撤去にすぐ入るとしても1年目の本体撤去費用は15億です。2年目が約10億で、3年目が約7億です。しかし、現在すぐ本体の撤去工事に入ることは、資金の問題は別にしても、無理だと思います。

また、ダムを作るときは、10年の計画が50年に延びても、予算を膨らませても作ります。撤去の場合、予算を膨らませろとはいいませんが、6年計画で撤去する予定計画を変更し10年計画にしても問題はないのではないでしょうか?

なにはともあれ全国初のダム撤去です。県だけでなく国や住民の合意形成を図りながら、環境への影響を確認しながら、丁寧に撤去を進めていってもいいと思います。

そもそも、存続を決定する過程で、全くその合意形成の場に、住民が関与できなかったことを今回の反省点としてほしいものです。そのために、まず存廃を検討したPTの検証内容の再検討から、研究者や住民を交えてしてほしいものです。そうすれば、撤去費用がもっと安くできる案もでてくるというものです。やはり、何がなんでも存続させたいという思いから、存続費用を安く、撤去費用を高く見積もってきたのではという疑いを取り除くためにも必要な過程だと言えます。

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2010年2月 4日 (木)

荒瀬ダム撤去に関する記者会見と各新聞報道

sun各マスコミとも1面報道

今日は各新聞とも、昨日の蒲島知事の記者会見の内容をトップで取り上げてあります。地元5社の1面記事の見出しと、他のページの見出しだけのとりあえずの紹介です。

≪地元紙の報道と1面の見出し≫

熊日新聞 「荒瀬ダム撤去」知事表明 全国初「廃ダム」再び始動

読売新聞 荒瀬ダム撤去表明 熊本知事 再転換を陳謝

朝日新聞 荒瀬ダム撤去 知事表明 全国初12年度着手

毎日新聞 荒瀬ダム撤去表明 「存続条件崩れた」

西日本新聞 荒瀬ダム撤去表明 水利権延長申請へ

Kumaniti1

sun熊日25面 撤去「2年待てない」

Kumaniti2

sun読売新聞26面 「政権に突き放された」巨額費用に不安の声

Yomiuri

sun朝日新聞30面 知事判断 揺れた責任は

Asahi

sun毎日新聞23面 「費用補助確約ない」国へ恨み節も

Mainichi

sun西日本新聞 「存続」一転 苦渋の決断

Nisinihonn

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2010年2月 3日 (水)

荒瀬ダム撤去決定!―蒲島知事、記者会見

club蒲島知事、「荒瀬ダム撤去」正式表明!

今日の午後4時から行われた記者会見において、蒲島知事は正式に荒瀬ダム撤去を表明しました。「水利権の延長が不透明となり、ダム存続の前提が崩れた」「資金や安全性、資資金技術の確保などに最大努力をしたい」と述べたと共同通信は伝えています。一昨年の6月4日の「撤去撤回」発言より1年と8カ月・・・翻弄されただけのこの期間はいったん何だったんだという思いもありますが、やはり撤去への方向転換はうれしく、それ自体は素直に評価したいところもあります。しかし・・・・

一方で「撤去を条件に2年間のダム存続について漁業などの同意を得る考えだ」(毎日新聞)とあるように、2年間の水利権申請を行うことを明らかにしています。しかし、この水利権の申請は、漁協などの同意が必要な新たな申請であることには間違いありません。許可がおりるまでの審査には数カ月かかり、その間ゲートは全開されることなど考えると、この2年間の水利権取得にどれほどの意味があるのか分かりません。

何より、地元や漁協の理解を得られるとは到底思えません。

club坂本住民の総意は、「更新せずに、撤去すべき」

今日、蒲島知事の正式表明があるのに合わせて、坂本町では、現在の状況及び今後の対応について、住民の意見収集が必要だとして、午後4時から中津道の社会福祉センターで集会がありました。単なる対策会議かと足を運びましたら、100人は超える地元住民が参加していました。地元の撤去への思いの強さを感じます。

100203まず、木村元坂本村長さんから、これまでの経緯説明や、今日の知事記者会見に関して入ってきた情報の提供があり、今日の知事発言に関する参加者の意見を募りました。

今日県議に対しての説明時に配布された、撤去に向けた県の「今後の対応について」(3)には、「水利権については、上記(1)の準備やその期間におけるダム管理費などの経費に充てるとともに撤去資金の確保に資するため、藤本発電所(荒瀬ダム)の発電事業を、平成24年3月31日まで継続できるよう現行水利権の許可期間を2年間延長する申請を行うこととし、速やかに許可が得られるよう国に対して働きかける」とあります。いまだに、「許可期間の延長」という解釈をしています。期間の延長だけの更新はできないことを認めていないことがそもそも問題です。

しかし、坂本の住民はもう騙されません。2年間の延長は認めるべきでなく、すぐ撤去の準備に入るべきという意見が全部でした。主な意見は以下のようなものです。

◎具体的な説明がなにもないお粗末な説明である。また、同じことの繰り返しではないか。

◎この村に対立の構図を作ったのは荒瀬ダムである。その犠牲に対価を支払うべき。また2年発電を行うといえば、また同じ。このまま、終わりにしてほしい。

◎2年後に撤去すると言っても、信用できない。また、政権が変わったり、知事が代わればひっくり返せる。2年後がどうなるかは分からない。

◎私たちは水利権は更新できないと主張してきた。これはもうごまかせない。水利権が切れたからと言って、すぐ撤去せよという話にはならない。撤去計画をたてて、調査を行うとかゲートを取り外すとか少しづつ、1~3年かけても国は認めるはず。

◎2年間のうちに撤去計画策定や環境対策を話し合うというけど、それは撤去が決まって数年間やってきた話で、もう必要ない。

今日の集会における坂本町住民の総意が、「2年間の水利権申請は認めず、すぐ撤去に入るべき」であったことは間違いありません。

今日の天気:sun

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2010年2月 1日 (月)

水利権申請には八代漁協の同意も必要

pisces水利権の申請には、球磨川漁協以外への補償も必要になる

熊本県が今回の許可期限の終了に伴い、「期間延長だけの更新なので、単純更新である」と主張しようとしたのは、失効して新たな申請となれば、その手続きにあたっては、球磨川漁協だけの同意ではなく、海面漁協やダムが建設されたことによって起こるようになった水害被害者への補償も視野に入れざるを得ないからだと思われます。

そのことを理解していたからこそ、事業計画は大きく撤去から存続へと変更するにも関わらず、また、現在の水利使用規則が失効を前提になっているにも関わらず、「見解の違い」として更新手続きをしようとしたのです。

pisces海面漁協への補償が必要な理由

河川法には、水利権の申請にあたっては、関係河川使用者の同意書を添付しなければならないと書いてあります。しかし、その「関係河川使用者」とは、「法第23条から法29条までの規定による許可を受けたもの並びに漁業権者及び入漁権者である」とあり、また、政令第21条には、「河川に関し権利を有する者」として、「漁業権及び入漁権者(遊漁券などにより漁を行うもの)とする」とあり、更には水利権の解説本には、「漁業者及び入漁権者は内水面の漁業に限定され」とあるが、どこにも「内水面漁協」とは書いてありません。

内水面とはいうまでもなく、川のことを指します。では、川とはどの範囲をいうのかと言えば、一級河川球磨川においては、河口の左岸水島町の西端と右岸の鼠蔵町の西端を結んだ線で、要するに河口の先端をいいます。Photo_3

しかし、この川の河口付近の約2キロの区間には、海の漁協である八代漁協の漁業権が設定されているのです。このことは、川辺川ダム問題において住民討論集会でも、「川とはどこまでを指すのか」という質問が国交省に対して出され、当時の九地整担当者は、八代漁協が漁業権をもつ河口の部分を川だと認めざるを得なかったことがあります。また、実際この川の区間では、八代漁協が漁業を営んでいます。

pisces荒瀬ダム建設時は、八代漁協の同意を取らなかった。

河口の川の部分が無視されていたこともあるのかも知れませんが、何といってもそのころはダム建設が川や海に影響があるとは、(企業局と言えども)認識していなかったということがあると思います。同時のことを知っている元組合長にお話を聞いたことがありますが、ダム建設を作るという説明はあったようですが、「ダムが出来ても、海には影響がありませんから」というので、「それなら、よかたい」で終わったそうです。

pisces同意の対象にはならなくても、補償の対象になる。

川の区間に八代漁協の漁業権が設定されているのですから、もちろん同意の対象になります。また、仮に企業局が「海面漁協は同意の対象にならない」と突っぱねても、補償の対象になることは、河川法で定められています。

法第41条には、「(流水の使用許可により)損失を受けるものがある時は、当該水利使用に関する許可を受けた者がその損失を補償しなければならない」とあり、この場合の補償の対象は、内水面の漁業権者等に限定されていません。50年前と違って、ダムが海に与える影響を現在否定することはできません。実際、最近のダム建設等では、作る前ではなく、事前に海の漁協に対しても、補償交渉を行い同意を得るのが当然になっています。

最近の事例としては、北海道の天塩川に建設予定のサンルダムは河口から200kmぐらい離れているダムですが、河口の北るもい漁協の同意がなかなか得られず計画が進みませんでした。しかし、去年の6月ごろ補償交渉に応じ、同意成立となっています。また、黒部川の出平ダムの排砂により河口のコンブ漁に被害が出たとして起こされた裁判では、漁業者が勝訴しています。洪水時に一気に放出される濁水で、球磨川河口のアサリガ一気に流されたり、堆積する流出土砂でアサリが窒息するという被害との関係もまた否定できないのです。Photo_2

上は、上空からみた、球磨川からの濁水が八代海に広がる様子です。こういう写真を見るとき、川の影響は海まで及ばないという説明はどれほどの説得力があるのか疑問です。

pisces水利権の申請による補償負担増を考えるより撤去を決断すべき

荒瀬ダムの撤去を前提としても、短期間の水利権更新を行うのであれば、それは新たな水利権の申請であることは間違いありません。おそらく、熊本県はダムの維持管理費の負担以上に、球磨川漁協や八代漁協を含む海面漁協、水害被害者などへの補償を考えた場合、撤去する方が安いと考えたに違いありません。であれば、2年間存続するための水利権申請でも条件は変わりません。

熊本県は存続のための水利権申請より、申請を断念した方が、はるかに負担は少なく思えるのです。また、それにより漁場再生による経済効果は、どれほど大きなものになるか・・・企業局の財布ではなく、県民の財布で判断をしてほしいものです。

今日の天気:rain

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