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2010年1月25日 (月)

蒲島知事の記者会見は、矛盾だらけ(1)

diamond1月20日の蒲島知事の記者会見に見る思い違いはどこからくるのか?

1月20日の定例記者会見は、35分ぐらいの時間の最初の3分ぐらいは水俣病問題に関するものでしたが、後の25分は荒瀬ダム問題に質問が集中しました。しかし、蒲島知事の発言は矛盾だらけのもので、それが水利権などに対する理解不足からくるものなのか、または、もともと前原大臣などや、住民を含め他人の話を勝手に解釈する傾向にあるのかは、定かではありませんが、きちんと反論しておく必要があります。今回の記者会見の内容について、数回に分けて反論を述べたいと思います。Photo

http://www.pref.kumamoto.jp/site/kibs/2010-ch5-0120.html

diamond失効する水利権の対処は、県営住宅の契約と同じか?

知事は水利権の許可期限が切れたら、即失効になることにを県営住宅の契約に例えて以下のように説明しています。

―3月31日までに、審査が終わらなければ自動的に失効するというのは、財産権を取り上げるようなもの。例えば、県営住宅で、お金を払えないときは出て行ってもらえますというような契約があった場合、また、「何かあった時は、ご相談ください」と言われえ、一生懸命対応しているときに、「3月31日になりましたから、出て行ってください」と言われたようなもの。担当者がそうしたら、私なら、「ちょっと待て」と言う、そういう状況に似ている(発言の要約です)-

県営住宅の例えだけ聞いたら、蒲島知事の言い分は正しいように思います。しかし、それば、平成15年前に潮谷元知事が言ったときは正しいということです。潮谷前知事は撤去をしたい(県営住宅を出ていきたい)、しかし、今お金がないから、7年間待ってくれといって、前回の水利権の許可期限が切れる前に、更新のお願いをしたのです。7年間できちんとお金をため、撤去計画も提出します(県営住宅例でいうと、7年間のうちに次の引っ越し先を見つけ引き払い、たまった家賃の返済計画も立てます)という約束のもとに、水利権更新を許可してもらったのです。前回が例外的に、延長を認めてもらったのです。

蒲島知事の理屈でいえば、3月31日までに「まだ、県営住宅に住ませてください」という手続きをすれば、さらに賃借契約が延長され、また、その次の契約期間の許可期限が切れる前に、延長の許可をとれば、賃借契約が結ばれることになります。県営住宅に住んでいる方は大喜びのことでしょう。

diamond水利権は財産権であっても公的な権利である。

確かに、水利権は物的財産権としての性格を有しています。発電のために、流水を排他的に利用するという意味においては、私権的な財産権です。しかし、権利の設定や、許可の取り消しを行うのは河川管理者である国交大臣です。今回のような河川法や水利権の許認可に係るものは、いうまでもなく公権的な性格を有していることを表しています。

県営住宅で、蒲島知事の温情によりずっと住み続けられたとしても、それはそこに住む住民の財産ではありません。蒲島知事の例えは、そこの部分だけみれば、正しいように思えますが、前後の説明とはとても矛盾しているし、また通用する理屈でもありません。

diamond「老朽化したダム」に荒瀬ダムが入らないのは、大臣の矛盾か?

蒲島知事は、もう一つ驚いたことに、「老朽化したダムに、荒瀬ダムが入らないと」前原大臣が発言をしたことを取り上げています。しかし、これまでダムの老朽化について、国交省の見解は、「コンクリートダムは老朽化しない」という説明であったことを県は知っているはずです。ましてや、水利権の許可期間については、100年ルールというものがあります。そういうルールをダムを管理する企業局が知らないわけはありません。潮谷前知事は平成15年に撤去する時にも確か老朽化という言葉を使った記憶があります。しかし、潮谷元知事が言ったのは、ゲートや発電機の取り換えにお金がかかるという意味で、老朽化という言葉を使われたことは当時の発言録などからも分かることだと思います。

また、自分が費用を出して撤去をするのに、老朽化という言葉を使うのと、人に費用をださせるときに老朽化をいうのであれば、当然老朽化の基準は相手が決める基準です。蒲島知事の「老朽化」という発言は、都合の良い時に年寄りを主張する高齢者が、都合によって「まだまだ若い」と権利を主張しているのと同じように聞こえます。なぜなら、それほど老朽化したダムを、「まだまだ使えるので壊すのはもったいない」と何がなんでも存続させようとしているのは、知事なのです。

diamond河川局の通達に従えば、失効しないのか?

蒲島知事は、国交省から言われてきたこととして、「6が月前から1か月前までの間に申請しなさいとなっている。これは河川局長の通達になっている。通達に沿って、2月末までに申請しなければならない」旨の発言をしています。しかし、これも間違いです。河川局長の通達は、あくまで普通の更新により水利権更新許可がされた場合で、この河川局長の通達の内容が更新条項として水利使用規則に書かれています。しかし、これまで説明してきたように藤本発電所の水利使用規則には、「許可期限が切れる前に更新しなさい」旨の記述はなく、あるのは、「今の許可期限が切れても許可は予定しません」という意味の「許可期限が到来したとき」という失効条項が書いてあるのです。

他の発電所に約束された条件、藤本発電所には通用しないのです。平成15年の水利権更新の際に、使用権者(企業局)も許可権者(国交大臣)も、今年3月には撤去を前提として許可されたものだからです。

ですから、水利権申請は2月一杯にしようが、3月に入ってから申請をしようが違反にはなりません。新たな水利権の許可申請を行うのに、いつまでにしなければならないという規定はありませんので。

蒲島知事は、水利権が切れたら、ゲートを開けてダムをそのまま残しておくのは法律違反になると、説明をされてきましたが、今でもそう主張されるのであれば、即刻撤去してほしいものです。もっとも、国交省は「法律の範囲内」という説明をしてきたように、すぐ撤去命令は出さないことでしょう。少なくとも「最低5カ月」は。

国に支援をお願いするのであれば、老朽化以外の理由があるはずです。荒瀬ダムは県営とはいえ、当時の国策によって建設し、そのことによってどれだけ地域の経済や流域の治水に悪影響を与えてきたか、きちんと主張すれば、「コンクリートより人」を主張し、「ダムによらない治水対策」を協議している球磨川こそが、新政権の河川行政の転機になることは間違いないのですから。

つづく・・・・。

今日の天気:raincloud

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