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2010年1月28日 (木)

荒瀬ダムの発電は利益をもたらしているか?

moneybag「荒瀬ダムの純利益は計算できない」と説明されてきたけれど

荒瀬ダムの発電による利益について、市民団体はこれまで何度も「いくらあるのか」と訪ねてきました。しかし、その都度、「売電は8発電所全部で行うので、個別の発電所毎に計算できない」として、荒瀬ダムがもたらす純利益について明らかにしようとしませんでした。

ところがここに来て、「発電が停止すれば、九州電力への売電で得ている月5千万円~6千万円の収入を失うことになる」(熊日1月18日) 「失効した場合、年間7億の電気事業収入が損失となる」(朝日1月20日)「4月以降、発電できなければ毎月数千万円の売電収入が得られなくなる」(読売1月21日)と、藤本発電所の収益の大きさを強調しています。今まで個別の発電所毎の収入や利益は計算できないという説明が事実なら、この発言は根拠なく発言していることになります。

moneybag各発電所毎の収益が計算できないわけはない。

しかし、企業局や蒲島知事が、全く根拠なく話しているわけではありません。隠していただけです。何故なら、各発電所毎の発電電力量及び供給電力量は分かっており、kWhあたりの電力単価も分かっているからです。その中で藤本発電所の実績供給電力量が全体に占める割合を計算して、それを全体の純利益から割り出せば簡単に分かることです。それを何故か計算できないと伏せてきたのです。

moneybag荒瀬ダムの発電量は全体の発電量の26.2%

発電電力量と供給電力量(企業局平成20年度決算書)の資料です。Img2019

これによると、平成20年度の藤本発電所の発電による発電量は、全体の26.2%となります。もちろん、年によって違います。多い時は30%ぐらいありました。しかし、撤去が決定した後の冬季のゲート全開による発電供給量減少の影響のせいでしょうか、ここ数年は30%を割り込んでいます。なので、もし、存続をすれば、30%まで回復するということはあるかもしれません。

moneybag多い荒瀬ダムの維持管理費(人件費を除く)

以下は、同じく平成20年度の決算書にみる損益決算書の中の、営業費用に関する報告部分です。Img22018

荒瀬ダムの電力供給量は平成20年度で全体の約26%ですが、維持管理費(人件費を除く)は全体の約35%と他の発電所に比べ、経費が大きくかかっています。これも、撤去のための準備費用がもしかしたら影響しているのかもしれません。平成19年度は、全体の45%を占めていました。かなり効率が悪い発電所といえます。今一番優等生の発電所は、緑川発電所で、全体の収益の約46%を稼いで、経費が占める割合は約19%なので、優等生です。

moneybag荒瀬ダムの純利益約3000万円は数字上の話

平成20年度の全発電事業による収益は20億2479万円で、純利益は1億1534万円です。藤本発電所が占める割合は、実際の供給量26%からすると、藤本発電所がもたらす収益は5億2600万になり、純利益は約3000万円はあると考えてもいいかもしれません。そう考えれば、知事がいうように「年間7億円の収入」「毎月数千万の収入」という説明は正しいようにみえます。(阿蘇の風力発電所も利益を上げているとすれば、藤本発電所が占める割合はまだ少なくなりますが、風力発電は赤字と分かっていますので、無視します)。

しかし、この年間5億にも上る収入が利益をもたらしているか、3000万円は本当に藤本発電所により生み出されているか、というと、別の検討も必要なように思います。

全体の収益は20億2479万円ですから、そのうち藤本発電所がその26%の5億2644万円を稼いでいるという計算は正しいと思います。しかし、人件費を除く維持管理費は、5億963万円もあるのです。つまり、現時点では、稼いでいる金額のほぼ同じ金額が維持管理費がかかっていることになるのです。人件費は全くここからは捻出できていないということです。

計算上は約3000万円も稼いでいることになるのですが、実際は維持管理費でみんな消えて、人件費は他の発電所が稼いでいる収入をあてていることになります。

moneybagゲート全開になれば、維持管理費の負担は膨大になる

蒲島知事は、ゲート全開になれば、その維持管理費が大きな損失になると言っていますが、まさにその通りです。現在でも維持管理費を稼ぐのがやっとで、収益は一つももたらさず、人件費は他の発電所に頼っているところに、維持管理費まで他の発電所がら負担しなくてはなりません。でどころは、全体の純利益(1億1534万円)しかありません。水利権の再申請となれば、その負担に、漁業者や水害被害者への補償金の問題も出てきます。海と川の関係を否定できない現在において、海面漁協への補償の必要性は、否定できません。

強引に申請をすれば、許可までの審査、補償の終了まではは5カ月以上もかかり、その間のダムの維持管理費は大きくのしかかることになり、県財政どころか、企業局の存続如何の問題に発生することは間違いありません。

蒲島知事は、今そういう岐路に立たされていることを肝に銘じて、ダム撤去の英断をすべきなのです。

今日の天気:cloud

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