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2010年1月24日 (日)

“失効ではない”と企業局は説明するけれど

apple「許可期限の満了」と「失効」

最近の新聞から、この失効に関する知事、及び企業局の発言を拾ってみると、

◎知事:許可期限の満了であり、水利権自体が失効するのではなく、期限内に申請すれば消滅はしないと解釈していた(1月20日 RKK放送)

◎県:水利権は半永久的に取水することを前提に許可されており、違法行為などがなければ権利を失うことはない(1月21日 読売新聞)

・・とあります。しかし、1月23日のブログで紹介したように、まず藤本発電所の水利使用規則は、撤去を前提として、今年の3月末で水利権を放棄する意思を示して、それが認められて国が許可したものであることを示しています。

確かに、企業局のいうように基本的に水利権は目的である発電事業が継続して、更新をしつづける限り失効することはありません。しかし、車の運転免許が更新すれば、運転する能力がある限り運転できますが、免許を取り上げられる場合があるのと同じうように、水利権も消滅する場合があり、それが水利使用規則に失効条項として掲げられるのです。

apple水利権が消滅する場合には、どのような場合があるか

企業局は水利権が消滅について、「違法行為がなければ消滅することはない」と主張していますが、水利権はそれ以外の場合にも消滅します。「水利権実務一問一答」には、「水利権が消滅する場合」として、11の場合が掲載されています。その一つは、企業局が言うように、「瑕疵ある流水占用の許可として取り消された場合」(法第75条第1項第3号)です。JR東日本の違法取水による許可取り消しがこの例にあたります。しかし、消滅するのは瑕疵によるものだけではありません。

消滅する場合に、「解除条件の成就」というものがあります。これは、「水利使用規則で定められた失効規定に該当することとなった場合(標準水利使用規則第16条)。すなはち、藤本発電所の水利規則の(失効)の条文には、まさしく、この失効規定に該当する「この水利使用が廃止されたとき」「許可期限が到来したとき」のいう条項がはっきりと記載されているのです。Photo_2

apple平成15年の「7年間の許可」は撤去を前提とした特別なものである

前回の水利権更新が、発電事業の場合に認められる30年の許可更新であったのであれば、「単純更新である」という企業局の言い訳も通用するかもしれません。しかし、平成14年河川局は、この「おおむね30年原則」に当てはまらない場合を類型化して、特別に水利権の短縮を認めています。

その一つが「再開発、水没(除却を含む)等による水利使用内容の変更及びその時期が確定しているもの」で、かつ「都道府県知事の意見によるもので、ここに掲げる類型に該当するもの」です。この「おおむね30年の原則」に関する取り決めがあったからこそ、平成15年に、熊本県知事による「撤去をしたいから、期間を7年にしてほしい」という主張が認められたものと言えます。

何より、今回の更新は「事業計画」の大きな変更で、単純更新と主張するのは、あまりにも無理がある

前回の水利権更新における申請書の事業計画概要です。Photo

申請書には何度も「7年後は撤去する」という言葉があります。存続となれば、この事業計画が根底から変わるのですから、許可期間が変わるだけの単純更新と主張するのは、あまりにも無理があります。

漁協など地元の主張を無視してでも、存続したいという意向がありありです。

今後も、企業局及び蒲島知事はなんとか荒瀬ダムを存続させようと、法の解釈を捻じ曲げて、水利権の申請を行おうとすることが予想されます。しかし、今前原大臣の見解も国交省の見解も、すべてのマスコミ報道を見る限り「荒瀬ダムの水利権は3月31日で失効する。4月1日からはゲート全開することになる」と一致しています。これまで、市民団体が「今年3月で水利権は失効する」と主張してきたことに対し、県は「見解の違いだ。後は国が判断すること」と居直ってきました。そうであれば、国の見解は出されたわけですから、蒲島知事も潔く認めて、水利権の更新を断念してほしいものです。

今日の天気:sun

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