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2008年12月 6日 (土)

杜撰な路木ダム計画①

造ることが目的としか言えない路木ダム(治水)

cancer否定しようがない路木ダム計画の嘘

 羊角湾に流れる路木川は、長さ6㎞、流域面積わずか10㎞2の2級河川です。ここに計画されている路木ダムは治水・利水を目的とした多目的ダムです。しかし、その治水目的の根拠になっている過去の被害記録を11月に市民団体が天草市に求めたところ、「明確な資料がない」ことが明らかになっています。また、路木ダムの治水の対象となっている路木地区59軒に一軒一軒、過去の水害について市民団体が聞き取り調査をし他結果、過去水害にあった家は一軒もないことが分かりました。

今、路木ダムは熊本県の公共事業再評価監視委員会で審議中です。5年前も再評価の対象になっています。どうして、この嘘を見抜くことができなかったのか、疑問です。その時すでにできていた「路木川河川整備計画」を見ても、すぐ分かるぐらいの杜撰な計画なのです。

cancer「河川整備計画」にみる「路木ダムの必要性」

路木ダムは平成4年に計画されたダムです。河川法改正に従って平成13年に河川整備計画が策定されています。それには路木ダムの危険性について以下のように記述されています。

◆昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、下流宅地において約100棟の床上浸水、中流部水田において約8haの農作物被害等が発生している。そのため沿川地域の生命・財産を洪水被害から守る治水計画の立案・実施が急務となっている。

◆路木川は、川幅が狭小で急流なため、古くからたびたび被害を受けており、このため、局部的に改修工事が行われ、治水安全度の向上が計られている。近年では、昭和60年7月の梅雨前線豪雨により浸水家屋4戸、浸水農地10ha、総被害額2600万円、昭和61年7月の梅雨前線豪雨により浸水家屋4戸、浸水農地8ha、総被害額2400万円等、毎年のように河岸の決壊、氾濫を繰り返してきた。さらに、洪水被害は増加の傾向にあり、地元住民は抜本的な治水計画を望んでいる。

・・・とあり、「既往災害額調書」を見ると、確かに昭和50、54、55、56、57、58、59、60、61、63年と毎年洪水被害が出たようになっています。これだけの被害があるのに、地区住民はみんな「被害にあったことはない」と証言し、天草市にもデータがないとは、どういうことか。河川整備計画は県が策定するにも、地元との要望や意見を踏まえて、県が検証した結果の策定であることは間違いありません。また、こんな近年に水害にあったことを、地域住民が忘れているわけはありません。整備計画が策定された平成13年に、地元住民が「抜本的な治水計画」を望んだことは、忘れたわけでもなく、ましてやしてもないというのが事実だとみて間違いないでしょう。

また、「本河川の沿川は、耕地として高度に利用され、用地の取得は極めて困難で、河道拡幅による改修は不可能に近い」とあるのを見ると、もう笑うしかありません。流域面積が僅か10km2です。沿川にわずかにある田の総面積はどう見ても、10分の1もありません。あっても20分の1程度です。その用地取得より、90億円の路木ダム建設の方が妥当だと判断するのですから、1ha当たり2億にもなるの路木川沿いの田圃の価格は日本一です。川幅拡幅のために沿川だけを買い取る面積は、ずっと少ないでしょう。沿川には民家はありませんので、浸かった時だけ、その遊水地としての代賞を出せば、もっと安く済みます。

また、路木ダムの年平均被害軽減額は1億9400万円です。被害も出てない59軒への被害軽減額となると、もうその意味すら分かりません。

ずさんな路木ダムの計画には県にも天草市にも責任はあります。しかし、こういう問題を起こさないために再評価監視委員会の存在があります。その委員会は、11月7日、重要な事業として路木ダムの継続を決定しています。

しかし、路木ダムに関する問題がこれだけはっきりしている今、「ゼロベースで県の事業をすべて見直す」と公言している蒲島知事が、そのまま目をつむってこのダムを推進するようでは、県民の理解は到底得られるものではありません。

Rogigawa2 ↑路木川・・・この上流に路木ダムが計画されている。(河口近く)

diamond路木ダムに関する資料http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/rogidamu-siryou.html 

今日の天気:cloud

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