佐賀県嘉瀬川ダム
嘉瀬川ダム工事の現場見学
12日は佐賀県の嘉瀬川に建設中の嘉瀬川ダムの見学に行ってきました。
佐賀市内を流れる嘉瀬川は、長さ57km、流域面積368km2の小さな川です。上の写真は河口より15kmほどのところの嘉瀬川ですが、水量は少なく、ツルヨシで覆われた護岸の様子から、ダムや堰により川のかく乱がなくなった川であることが、すぐ分かります。
加勢川ダムは河口より約30kmのところに建設中の多目的ダムで、昭和48年に計画されました。
工事現場の入口には、「ダムづくり情報館」があって、ダムの役割や工事の流れを説明したパネルなどが展示してあります。
総貯水量7100万m3(利水容量5050万m3)、高さ98m、堤長460mのダムの60m近くまで出来上がっていました。
RCD工法という水とセメントの少ない工法は九州で竜門ダムに続く2例目ということで、工期の短縮が可能だということです。フライアッシュを加えるPCD工法だと、水とセメントが少なくてすみ、コンクリの打設後、すぐにブルドーザーで平らにならすことができるそうです。本体の上空にぶら下げてあるのはライトですが、工期が長引くだけ建設費増大になるので、休日、夜を徹した突貫工事で作業しているということです。コンクリを打設した上では、乾燥しないように作業員がずっと水をかけていました。
左手が上流で、本体の中央ほどの上流側に選択取水設備が見えます。右手に見える建設途中の建物が発電所です。川の反対側には、原石山からベルトコンベヤーで運ばれてきた骨材をストックするサイロや、セメントを保管してある塔などが見えます。
ダムサイトより800mぐらいにある原石山の骨材採取現場です。100万tのコンクリを作るのに、これほどの面積の原石山が必要なのかと、予想以上の採掘面積に、ただ唖然です。クマタカの生息する川辺川ダムの原石山がこうならなくて本当に良かったと思わざるを得ません。
建設地点の放流量が1.3トン/秒とあまりの少なさにびっくり。下流の基準地点で2.5トンというので、海に届く水量を聞いたら、「現在ゼロなので、今より増えます」とのこと。
実際この日の嘉瀬川も水量がとても少なかったです。五木小川ぐらいの川幅にちょろちょろという感じです。上流に北山ダムという利水専用のダムがあるせいもありますが、川沿いに走るとすぐ分かるように、堰がやたら多いのが目につきます。こんな水量の少ないところで、上流に北山ダムがあり、その下にまたダムを造ることの意味は全く分からなかったのですが、満杯になるのに何日ぐらいかかるか聞いたら、「1年半ぐらいはかかると思います」とのこと。上流のダムの水をみんな流し込まないとたまりそうもありません。
昭和40年当時の社会情勢の中で計画されたこのダムが、本当に今でも必要なのかは、工事事務所の説明では理解することはできませんでしたが、水のない嘉瀬川を見て、本当に、ダムでこうやって日本中の川をダメにしてきた現実をまた目の前にして、複雑な気持ちで帰ってきました。ともかくも、球磨川流域で、こういう光景は見たくないと。
参照:嘉瀬川ダム工事事務所HP http://www.qsr.mlit.go.jp/kasegawa/
今日の天気:![]()
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