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2008年12月

2008年12月14日 (日)

佐賀県嘉瀬川ダム

嘉瀬川ダム工事の現場見学

 12日は佐賀県の嘉瀬川に建設中の嘉瀬川ダムの見学に行ってきました。Kasegawa

佐賀市内を流れる嘉瀬川は、長さ57km、流域面積368km2の小さな川です。上の写真は河口より15kmほどのところの嘉瀬川ですが、水量は少なく、ツルヨシで覆われた護岸の様子から、ダムや堰により川のかく乱がなくなった川であることが、すぐ分かります。

加勢川ダムは河口より約30kmのところに建設中の多目的ダムで、昭和48年に計画されました。

Kasegawasiryoukann 工事現場の入口には、「ダムづくり情報館」があって、ダムの役割や工事の流れを説明したパネルなどが展示してあります。

Kasegadamhonntai_2 総貯水量7100万m3(利水容量5050万m3)、高さ98m、堤長460mのダムの60m近くまで出来上がっていました。

RCD工法という水とセメントの少ない工法は九州で竜門ダムに続く2例目ということで、工期の短縮が可能だということです。フライアッシュを加えるPCD工法だと、水とセメントが少なくてすみ、コンクリの打設後、すぐにブルドーザーで平らにならすことができるそうです。本体の上空にぶら下げてあるのはライトですが、工期が長引くだけ建設費増大になるので、休日、夜を徹した突貫工事で作業しているということです。コンクリを打設した上では、乾燥しないように作業員がずっと水をかけていました。

左手が上流で、本体の中央ほどの上流側に選択取水設備が見えます。右手に見える建設途中の建物が発電所です。川の反対側には、原石山からベルトコンベヤーで運ばれてきた骨材をストックするサイロや、セメントを保管してある塔などが見えます。

Kasegennsekiyama ダムサイトより800mぐらいにある原石山の骨材採取現場です。100万tのコンクリを作るのに、これほどの面積の原石山が必要なのかと、予想以上の採掘面積に、ただ唖然です。クマタカの生息する川辺川ダムの原石山がこうならなくて本当に良かったと思わざるを得ません。

建設地点の放流量が1.3トン/秒とあまりの少なさにびっくり。下流の基準地点で2.5トンというので、海に届く水量を聞いたら、「現在ゼロなので、今より増えます」とのこと。
実際この日の嘉瀬川も水量がとても少なかったです。五木小川ぐらいの川幅にちょろちょろという感じです。上流に北山ダムという利水専用のダムがあるせいもありますが、川沿いに走るとすぐ分かるように、堰がやたら多いのが目につきます。こんな水量の少ないところで、上流に北山ダムがあり、その下にまたダムを造ることの意味は全く分からなかったのですが、満杯になるのに何日ぐらいかかるか聞いたら、「1年半ぐらいはかかると思います」とのこと。上流のダムの水をみんな流し込まないとたまりそうもありません。

昭和40年当時の社会情勢の中で計画されたこのダムが、本当に今でも必要なのかは、工事事務所の説明では理解することはできませんでしたが、水のない嘉瀬川を見て、本当に、ダムでこうやって日本中の川をダメにしてきた現実をまた目の前にして、複雑な気持ちで帰ってきました。ともかくも、球磨川流域で、こういう光景は見たくないと。

spade参照:嘉瀬川ダム工事事務所HP http://www.qsr.mlit.go.jp/kasegawa/ 

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2008年12月 6日 (土)

杜撰な路木ダム計画①

造ることが目的としか言えない路木ダム(治水)

cancer否定しようがない路木ダム計画の嘘

 羊角湾に流れる路木川は、長さ6㎞、流域面積わずか10㎞2の2級河川です。ここに計画されている路木ダムは治水・利水を目的とした多目的ダムです。しかし、その治水目的の根拠になっている過去の被害記録を11月に市民団体が天草市に求めたところ、「明確な資料がない」ことが明らかになっています。また、路木ダムの治水の対象となっている路木地区59軒に一軒一軒、過去の水害について市民団体が聞き取り調査をし他結果、過去水害にあった家は一軒もないことが分かりました。

今、路木ダムは熊本県の公共事業再評価監視委員会で審議中です。5年前も再評価の対象になっています。どうして、この嘘を見抜くことができなかったのか、疑問です。その時すでにできていた「路木川河川整備計画」を見ても、すぐ分かるぐらいの杜撰な計画なのです。

cancer「河川整備計画」にみる「路木ダムの必要性」

路木ダムは平成4年に計画されたダムです。河川法改正に従って平成13年に河川整備計画が策定されています。それには路木ダムの危険性について以下のように記述されています。

◆昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、下流宅地において約100棟の床上浸水、中流部水田において約8haの農作物被害等が発生している。そのため沿川地域の生命・財産を洪水被害から守る治水計画の立案・実施が急務となっている。

◆路木川は、川幅が狭小で急流なため、古くからたびたび被害を受けており、このため、局部的に改修工事が行われ、治水安全度の向上が計られている。近年では、昭和60年7月の梅雨前線豪雨により浸水家屋4戸、浸水農地10ha、総被害額2600万円、昭和61年7月の梅雨前線豪雨により浸水家屋4戸、浸水農地8ha、総被害額2400万円等、毎年のように河岸の決壊、氾濫を繰り返してきた。さらに、洪水被害は増加の傾向にあり、地元住民は抜本的な治水計画を望んでいる。

・・・とあり、「既往災害額調書」を見ると、確かに昭和50、54、55、56、57、58、59、60、61、63年と毎年洪水被害が出たようになっています。これだけの被害があるのに、地区住民はみんな「被害にあったことはない」と証言し、天草市にもデータがないとは、どういうことか。河川整備計画は県が策定するにも、地元との要望や意見を踏まえて、県が検証した結果の策定であることは間違いありません。また、こんな近年に水害にあったことを、地域住民が忘れているわけはありません。整備計画が策定された平成13年に、地元住民が「抜本的な治水計画」を望んだことは、忘れたわけでもなく、ましてやしてもないというのが事実だとみて間違いないでしょう。

また、「本河川の沿川は、耕地として高度に利用され、用地の取得は極めて困難で、河道拡幅による改修は不可能に近い」とあるのを見ると、もう笑うしかありません。流域面積が僅か10km2です。沿川にわずかにある田の総面積はどう見ても、10分の1もありません。あっても20分の1程度です。その用地取得より、90億円の路木ダム建設の方が妥当だと判断するのですから、1ha当たり2億にもなるの路木川沿いの田圃の価格は日本一です。川幅拡幅のために沿川だけを買い取る面積は、ずっと少ないでしょう。沿川には民家はありませんので、浸かった時だけ、その遊水地としての代賞を出せば、もっと安く済みます。

また、路木ダムの年平均被害軽減額は1億9400万円です。被害も出てない59軒への被害軽減額となると、もうその意味すら分かりません。

ずさんな路木ダムの計画には県にも天草市にも責任はあります。しかし、こういう問題を起こさないために再評価監視委員会の存在があります。その委員会は、11月7日、重要な事業として路木ダムの継続を決定しています。

しかし、路木ダムに関する問題がこれだけはっきりしている今、「ゼロベースで県の事業をすべて見直す」と公言している蒲島知事が、そのまま目をつむってこのダムを推進するようでは、県民の理解は到底得られるものではありません。

Rogigawa2 ↑路木川・・・この上流に路木ダムが計画されている。(河口近く)

diamond路木ダムに関する資料http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/rogidamu-siryou.html 

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2008年12月 4日 (木)

県財政だけを荒瀬ダム存廃の物差しにしないで

検証不足は否めないダム存続の判断

今日から12月県議会が始まり、冒頭の知事の議案説明の中で、荒瀬ダムに対する存続の意向に対し、改めて説明がありました(下記に全文アップ)。

11月27日に蒲島知事が荒瀬ダムの存続を発表してから、抗議の声が相次いでいます。もちろん、撤去を望む声が多いとううこともありますが、それよりも企業局やPTの存廃の検証があまりに不十分で不透明であったということに対する非難が多いことにも一員があるようにも思います。

潮谷前知事も、①撤去費用は何年かに分けて支出できる、②11年には新幹線の財政負担は軽くなるとして、工夫次第で撤去費用をねん出できる可能性をマスコミを通じて示唆されていているように、存続ありきではなく、撤去を実現するための努力のあとが全く見られないのであれば、県民の理解を得ることは困難でしょう。撤去決定時の撤去計画では、6年かけて撤去することになっていましたが、撤去計画さえしっかりしていたら、何年で撤去しなければならないということは法律には明記されていません。撤去費用90億円を一度に出費しないといけなような印象を与えて、県民の理解を得ようとしているようにも思えます。地元住民や漁業者に存続への理解を懸命に求める前に、まず撤去の可能性について、知事が極限までの努力をするべきだと思います。水利権の申請手続きをするまでは、まだ1年近くあるのですから、今日まで不十分であった検証を、きちんとして最終判断してほしいものです。

◆◆12月県議会における蒲島知事発言◆◆

最後に荒瀬ダムについて申し述べます。荒瀬ダムの存廃に関する私の判断については、去る11月27日にすでに公表しておりますが、改めてここでその趣旨をご説明させていただきます。私の判断は深刻な財政危機にある本県の現状では撤去や開門調査を選択することは難しく、荒瀬ダムを存続させることが最も適当であるというものです。撤去方針を決定した平成14年当時に見込んでいた撤去費用はその後環境対策をはじめ、大幅に増加する見込みとなり、撤去費用を電気事業会計の内部留保資金で賄うという撤去方針の前提条件が大きく変わっております。深刻な財政危機にある本県の現状を考えると一般会計から多額の資金投入を必要とする荒瀬ダム撤去を選択すること現段階では不可能であると判断いたしました。

 一方存続については発電で生み出す利益は、球磨川流域から八代海にいたる地域の環境向上や水産業の再生に向けた取り組みの強化を図ることで、地元に還元できるとともに、財政危機の県にとって救いとなるものです。撤去を待ち望んでこられた地元坂元町の皆様や漁業関係者の皆様のお気持ちを思うととても苦渋の決断でした。私は荒瀬ダムを未来永劫存続させることが最善の選択肢とは考えておりません。現段階でいつとは申しあげることはできませんが、将来撤去可能となる条件が整えば撤去すべきと考えております。それまでの間、荒瀬ダムが地域と共生していけるよう、必死の覚悟で取り組んでまいる所存です。今後は、荒瀬ダムから得られる利益を地域の環境向上や水産業の再生に重点的に投入することなどにより、ダムが地域住民の生活や環境に負担をかけず、折り合っていけるようぎりぎりの可能性を追求してまいりたいと考えております。地域の方々や漁業関係者の皆様に私の判断を受け入れていただけるよう、懸命に説明を重ねていくとともに、洪水の未然防止など地域の安全を守る取り組みについては最優先で進めてまいります。引き続き、県議会をはじめ県民の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

info0211月27日の存続に関する知事意見の全文は下記にあります。http://docs.google.com/fileview?id=F.381112f5-c51e-4e21-a5c8-95311950f963

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