« 荒瀬ダム撤去を実現するために | トップページ | ダムが出来てからひどくなった水害(1) »

2008年11月12日 (水)

荒瀬ダムを検証するプロジェクトチームの最終報告

大幅に増えた撤去費用

10月1日に、熊本県庁内に荒瀬ダムの存廃を検討するプロジェクトチーム(PT)が設置されました。存続か撤去か今年中にか12月までに発表するという蒲島知事の判断材料を提供するためです。報告では、これまで企業局が試算していたより、大幅に撤去費用が増加し、撤去する場合と存続する場合の県の負担は53億円の開きがあるとしています。蒲島知事はこの報告書とこれまでの説明会や公聴会での意見や寄せられた意見書をもとに、総合的に存廃を判断するとしています。

■報告書の内容

これまで企業局が発表していた試算と今回のPTの試算では以下のように違いがあり、いずれも大幅にアップする結果となりましたが、存続する場合は九州電力が負担するので、県の負担は16億であると報告しています。

存続の場合、総事業費が企業局試算が72.1億が、PT試算では91.8億に、今後の支出額は51.5億は、71.2億に、県の実質負担額49.2億は68.9億になり、企業局の試算より19.7億増加しています。

存続の場合は、総事業費80.1億が87.3億、今後の支出額80.1億が87.3億、県の実質負担額8.8億は16.0億であり、企業局の試算より7.2億増加します。
結果として、撤去すれば存続より約53億県の負担か大きいと報告されています。

▼撤去と存続の場合の費用の内訳は下記にアップしています。<a href="http://www.mediafire.com/imageview.php?quickkey=oc2yy4vvjot&thumb=5" target="_blank">

また、撤去費用がないなら、せめてゲートを全開するべきという指摘に対し、PTは開門調査を行う場合の検証もしていますが、開門調査は「水利権の更新が前提であり、水利権の許可範囲内で行う必要がある。九電との契約の整合性や売電料金で回収できない費用負担が発生するなど解決困難な課題が多い。また、調査費用、メンテの費用がかさむ。」と報告し、難色をしめしています。

■PTおよびその報告書の問題点

  1. 構成メンバーは県庁の職員だけで構成されており、客観性が担保されていない
  2. 混成メンバーは、河川課、財務課、企業局だけからだけであり、水産や環境に関する部署の職員が入っていない。従って、主に財政の視点からだけの検証になっていて、環境面の検証は全く行われていない。
  3. 検証の対象とした資料やデータの内容が公表されておらず、結論の根拠が不明である。
  4. わずか1ヶ月間の検証期間は十分であるといえない。

知事の判断材料はこれまで寄せられた意見やこの報告書です。ダムが環境に与える影響やその対策について、研究者の意見を予定は今のところありません。また、住民の意見や提案も聞き置くことにとどまっており、PTの検証にどの程度反映されたのか不明です。50年間住民や漁業者が見てきた事実を調査・検証せずに、わずか1か月で判断するのには大変な無理があるといえます。せめて、数年の開門調査をして結論を出してほしいものです。

今日の天気:sun

|

« 荒瀬ダム撤去を実現するために | トップページ | ダムが出来てからひどくなった水害(1) »

荒瀬ダム問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1130116/25254851

この記事へのトラックバック一覧です: 荒瀬ダムを検証するプロジェクトチームの最終報告:

« 荒瀬ダム撤去を実現するために | トップページ | ダムが出来てからひどくなった水害(1) »