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2008年11月16日 (日)

米、大型ダム撤去の時代へ

clubアメリカ、4つの大型ダム撤去を決定!

蒲島知事の川辺川ダムの白紙撤回を求める発言に続き、近畿の4府知事が「大戸川ダム不要」と発言、ようやく、日本の河川行政の転機が現実のものとなろうとしています。そして、今日の地元新聞のトップはダム見直しのための検討チームを国交省が作るというニュースでした。時代は本当に変わるかもしれないと、ちょっと興奮気味の午前中でした。

そして、もう一つ海外のニュースも飛び込んできました。アメリカ、オレゴン州で4つの巨大ダムを2020年までに撤去するというものでした。Klamath_dam      

アメリカでは、ダム撤去は当たり前というイメージが強いのですが、実は大型ダムの撤去はまだありません。それを4つも撤去するというのですから、米国民にとっても大ニュースのようでした。クラマス川でもダム建設後サーモンが激減したと、地域住民や自然保護団体の撤去運動が起っていました。しかし、ブッシュ政権下、時代の流れは逆行するように、撤去予定のダムは足踏み状態だったようです。それだけに、今日のこのニュースはオバマ政権誕生の影響だと、好意をもって受け止められたことでしょう。

「米国におけるダムの時代は終わった」と述べたのは、米国内務省開拓局前局長ダニエル・ビアード氏です。、平成6年11月9日に南アフリカ共和国のダーバンで開催された第18回国際大ダム会議においてでした。そして、その言葉は、日本中でダムの運動をしている人たちにとって、新しい時代の到来を思わせるほどの強いインパクトがありました。

その8年後、荒瀬ダムの撤去が決定し、「ダムの時代は日本でも終わったのだ」と実感したものです。私たちは、撤去を決めた熊本県民の一人として、日本初のダム撤去に至る経緯を県内外に伝える責任があると感じ、リバーポリシーネットワークのお世話で、アメリカよりダム撤去問題に詳しいデイビット・ウウェグナー氏(元、開墾局研究者)らを招いて八代市で学習会を行いました。平成16年3月25日のことです。この時、アメリカではすでに600以上のダムが撤去されていたと思いますが、驚いたのは、みんな数メートルの小さなダムで、いきなり荒瀬ダムのような大きなダムを撤去するというニュースに驚いたというのに驚いたものです。荒瀬ダムはアメリカの研究者やダム関係者からも、大変注目されていたようです。熊本県には撤去の工法含め、撤去に至るまでの経過、前後の環境の変化など、全世界に向けて情報発信する必要があると。そして熊本県はその自覚をもって撤去に望んでくれるものと思っていました。みんなが当然と思っていた撤去が凍結されることなど誰も予想しなかったことでしょう。

アメリカが、時代に逆行してダムがまた社会的正義になり、日本もまた、蒲島知事の凍結発言をきっかけに、アメリカに追従する流れが生まれるのではと懸念していただけに、今日のニュースは日本にいても、うれしいものでした。

蒲島知事には、一つの手で未来への扉を開けながら、もう片手で、逆行の扉を開けることはしてほしくないものです。

club川のダムナミックが自然の川を作る

デビッド・ウェグナー氏が球磨川に送ったメッセージ

ウェグナー氏が元アメリカ陸軍工兵隊幹部のジェームス・ジョンソン氏と共に、荒瀬ダムを訪れたことがあります。その時のことを毛利甚八氏が2004年ビーパル8月号で紹介しています。「荒瀬ダムを撤去すれば、球磨川は甦るのでしょうか」と。

ウェグナー氏はこう答えています。「川はダイナミックなのものであり、その激しい変化が生態系を造る基礎なんだ。ダムはその荒々しさを壊してしまう。ダムを撤去すると川が元い戻ろうとする凄い力をみることができるだろう。完全に昔の川に戻るわけではないが、ダムがあった時よりも自然に近い川になることは間違いない」

自然が元に戻ろうとする力は本当に強いものだと思います。平成14年撤去の準備のためゲートを3か月全開しました。水位が下がった球磨川は、ヘドロですい臭いがしたものの蛇行し、瀬は音を立てて流れていました。驚いたのは、3ヶ月目ぐらいには、きれいな水質の川にしかいない水生昆虫のカワゲラ(川辺川でしか見られなかった)が生息していたことです。人間が手さえ加えなければ、自然の回復力は相当なものだろうと、実感したものです。

「せめて、ゲートを2年間開放してほしい」というのは、住民だけでなく、川や海に生きる万物の声であることを、受け止めてほしいものです。

今日の天気:cloud → sun

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